逆向き計算を援用した数値変化追跡(2)
コラッツの計算で、step数が70 前後とstepの長い数がありました。
X≦60 の範囲では X=27,31,41,47,55 です。
それらのX値は、コラッツの計算でpeak値がいずれも 4616 となります。
そこで、1をスタートの数として peak値 4616 を経由し、それらの数Xに
一致するまで逆方向に計算してみます。
上の計算結果のデータに並行して2箇所、比較用の計算データを表示
しています。
1箇所目はstep(-16)~(-18)、2箇所目はstep(-30)~(-34)です。 この
2箇所は、奇数処理と偶数処理の回数は同じだけれど、その順序が
異なっています。
その結果、1箇所目のstep(-18)、2箇所目のstep(-34)では比較用の
計算値が1だけ小さい値になっています。
この値の違いが、それをさかのぼるstepでの計算値に大きな差をもた
らします。
この例では1箇所目は81となったところで、2箇所目は1437となった
ところでそれ以前に奇数が現れることはなくなりました。
81と1437は3の倍数で、ここでも前回と同じ動きになりました。
以上の2箇所の比較用計算データも分岐の例ですが、さらに分岐例を、
step(-49)~(-50)、step(-66)~(-67)の部分について表示しています。
ここまで見てきた逆コラッツの計算で得られた結果をつぎに整理します。
①コラッツの計算では計算式が一意的に決まるが、逆コラッツ計算では
計算式が一意的には決められない
②逆コラッツ計算で奇・偶の並びを選択して整数の計算値をつないで
いくことにより、全てのコラッツ計算を逆方向に計算できる
③全てのstep、全ての奇・偶の分岐について逆コラッツ計算を行なえば、
その分岐から伸びる枝にまた分岐が現れ、1からスタートした計算値
は stepを遡るごとに分岐を増していく
④逆コラッツ計算では、偶数処理(前stepが偶数)は2Xで問題ないが、
奇数処理(前stepが奇数)では整数にならない数Xがある
⑤逆コラッツ計算で一度3の倍数の奇数が発生したら、それ以後の逆
コラッツ奇数処理で整数になることはない
以上に加えて-14での判定を支持する、つぎの動きも見られます。
⑥各枝に現れる数値に同じ値は現れず、また別の枝どうしの間でも同じ
数は現れない
コラッツの計算と逆コラッツの計算の関係は、あたかも一本の樹木と
それに登ったアリの動きのようです。
木の根元を1とするとき、コラッツの計算は木に登ったアリが根元まで
降りていく動き、逆コラッツの計算は木に登る動きです。