逆向き計算を援用した数値変化追跡(1)
ここからは、コラッツの計算を逆向きにたどることにより見えてくる数の
構造とそのグループ化、そして双方向の計算の関係について調べていき
ます。
コラッツの計算は任意の数Xからスタートし、最終的に1に向かっていると
予想されていますが、そうなら1またはそれに近い小さい値からスタートし、
コラッツの計算と逆方向に計算していくことにより、何らかの知見が得られ
るかもしれません。 そこでまず逆向きのコラッツ計算式を求めてみます。
ここで、コラッツの計算と逆方向の計算(以後、逆コラッツ計算と呼称)とで
重要な違いが現れます。
コラッツの場合はX値が奇数か偶数かによって計算式が一意的に決め
られますが、逆コラッツの計算式はX値によっては決められません。
したがって、コラッツの計算は数値の並びが1本道なのに対し、逆コラッツ
はstepが進むにつれて分岐が増えていきます。
また偶数処理は2Xなので全てのX値についてできますが、奇数処理はX
値によっては計算値が整数にならない場合があります。これは前stepで
コラッツの計算できる奇数値がないことを示しています。
つぎは逆コラッツの計算を行なうことにより現れる数値の動きを調査した
ものです。
計算が効率良く進むよう、スタートの数を逆方向計算step(-3)に相当する
8としています。そこから、逆方向計算による数値の並びをstep(-15)まで
表します。
計算は偶数の並びをベースとして、step(-15)からstep(-4)に向けて少し
ずつ奇数計算を増やしていきます。
ここから、一部step(-20)まで計算します。
ここで注目すべきは、最後の2つの数値パターンです。□で囲んだ数
3と9はいずれも3の倍数ですが、その先の逆コラッツ計算では偶数しか
発生していません。