徒然散歩

経済や数学など自分の興味ある分野について書いています。

2016-05-01から1ヶ月間の記事一覧

マジ経-52  貨幣で購入できないもの(1)

貨幣で購入できないものはもともと他人のものを自分のものにすることができないもの、たとえば出生・経歴・生命・個性・才能などだろうか。これらは知ることはできても自分のものにすることはできない。また銃・禁止薬物・特定危険物など購入を禁止または制…

マジ経-51  貨幣の「対価」機能(3)

貨幣による購入は価格をつけられるあらゆる「権利」についても可能である。「権利」は前に考えたた生物界における「縄張り」に通じるものだ。 富裕層は貨幣の持つ力で権利を購入し、自らの権利の下で取引を行うことができる。それは富裕層の下への貨幣流通の…

マジ経ー50  貨幣の「対価」機能(2)

あらゆる産業の事業拡大や公共事業のプロジェクトを実施するには必要な技術や物資を確保しなければならず、それをするにもまとまった量の貨幣が必要となる。この資金確保は民間企業では株や社債発行により、公共事業では税の引き当てや特別国債発行などによ…

マジ経-49  貨幣の「対価」機能(1)

貨幣はあらゆる有価値との交換時の「対価」としての機能を持つ。交換は貨幣による有価値の購入という形をとる。日々の生活に必要な食べ物や飲み物それに衣類や靴など身につけるもの、部屋代・電気・ガス・上下水道代など居住に関する費用、バス・電車・タク…

ジ経-48  「価格」全体の動きは?

以上の思考実験では全体を業界AとBの2つで考えたが、現実はこんな単純なものではない。ただこのモデルによって価格の変動にともなって利益配分が変わっていくことだけは見てとれる。現実には多くの業界があり、その中にも沢山の職業が存在する。それら各…

マジ経-47  貨幣の「価格」機能(4)

①貨幣の「価格」機能 <思考実験>-4 業界Bの値上げによる貨幣価値の変化によって業界A,Bの実質利益はどのように変化したとみるべきだろうか。それには(現在)の利益×貨幣価値変化率を計算して現在の利益を1年前の貨幣価値に換算すればよい。 [業界A…

ジ経-46  貨幣の「価格」機能(3)

①貨幣の「価格」機能 <思考実験>-3 業界AとBを合計して[全体]= [業界A]+ [業界B]として、その変化をみる。 [全体] (1年前) → (現在) 売上数 2千万個/月 1千900万個/月 売上高 160億円/月 170億円/月 全体の貨幣価値は …

マジ経-45  貨幣の「価格」機能(2)

①貨幣の「価格」機能 <思考実験>-2 業界AとBの製品価格、製造コスト、売上数、 利益それぞれについて1年前と現在の実績を見てみると、つぎのようになっている。 [業界A] [業界B] (1年前) → (現在) (1年前) → (現在) 製品価格 800円 …

マジ経-44  貨幣の「価格」機能(1)

43で挙げた貨幣の三つの機能について考える。まず「価格」機能から。 価格の高低は利益配分効果をもたらす。生産力の低下を価格転嫁した場合の利益配分の変化についてつぎのような思考実験を行ってみる。 ①貨幣の「価格」機能 <思考実験>-1 業界AとBの…

マジ経-43  貨幣の働きとは

これ以後、需要の対象である「物やサービス」を価値あるものという意味で「有価値」という造語で呼ぶことにする。貨幣はいくつかの大きな機能を持つ。いろいろな機能分類の仕方があるだろうがつぎの3つに分類できないだろうか。それは ①有価値の価値の高さ…

マジ経-42  潜在需要について

ただ生活に必要なものさえ節約せざるをえない貧困層も存在する。このような人々に何らかの方法で所得増が実現されたら、その所得増分は高い比率で消費に回されるだろう。このような効果を加えた需要を潜在需要ΣN’として把握しようとすれば、格差の係数であ…

マジ経-41  総所得と総需要の大きさは等しい?(2)

「需要Nに消費性向cを掛けたものが市場規模Mとなる」と考えた理由は、収入は本来、需要を満たすために得るものだという前提に立って、所得(=収入の総額)は需要を100%満たすだけの額になっているとしている。 また「実需は所得の範囲から発生する」…

マジ経-40  総所得と総需要の大きさは等しい?(1)

ここから貨幣の働きについて考えるつもりでいたが、自分の出した結論、「総所得と総需要の大きさは等しい」が誤っていないのか検証しておく必要を感じたので、急遽ここに割り込むことにした。 数式上は総所得をΣY、市場の大きさをΣMとすると、消費性向cは…

マジ経-39  需要の最大の担い手

消費の中で最も多くの割合を占めるのは個人消費だ。これは人々の生活の中から生まれる消費で、国内総生産(GDP)の約60%を占める。したがって、経済を活性化していくには個人需要を喚起するとともに消費拡大を図っていくことが必要になってくる。需要の…

マジ経-38  需要の大きさをどう測る(4)

消費性向cは税率をt、貯蓄率をsとすれば c=1-(t+s)の関係にあるから、総需要∑Nはつぎのように表される。 ∑N=∑M/(1-(t+s)) この式が表す重要な意味は分母の(1-(t+s))にある。つまり集計上は同じ市場規模であっても収入を…

マジ経-37  需要の大きさをどう測る(3)

市場規模Mはどのように表されるだろうか。ある製品が取引される市場規模Mは、一定期間中に市場での製品取引で流れた貨幣の総量で表される。その大きさは製品の価格Pと、一定期間中に売買された製品の量Iとの積となる。数式で表せば M=PI である。複…

マジ経-36  需要の大きさをどう測る(2)

ケインズの経済理論にたびたび登場してくる言葉に限界消費性向というものがある。これは「所得の増分を消費支出の増分に回す比率」と解釈される。これと少し異なるが「所得を消費支出に回す比率」として消費性向という言葉を使うことにする。 需要の大きさを…

マジ経-35  需要の大きさをどう測る(1)

需要の大きさを測るにはどうすればいいだろうか。需要が大きければ取引量が増加するが品薄気味になれば価格は上昇してくる。逆に需要に比べて十分な品数があれば取引価格は下落してくる。つまり高値で取引されるのは需要が大きいからであり、需要が小さくな…