数のグループを考慮した期待値の見直し(1)
ここまでの結果をもとに数グループを考慮した期待値の見直しを行います。
現stepのX値を3つのグループ(G1,G2,G3)ごとに1つにまとめ、その
1単位ごとにコラッツの計算前後で現れる期待値の計算を行います。
現stepのX値1単位とそれに対応する1step前の数とを計算し、比の値を
つぎのように計算します。
ここで分子の G1,G2,G3 は グループ1,2,3の値で、つぎのようになります。
G1=3P-2 G2=3P-1 G3=3P
分母は -23で表示した step(-1) の式になります。
上の式で分子にG2を2個加算している理由は、グループ1,3は1step前の
値と処理後の値が1対1の関係ですが、グループ2は1step前の値が偶数
値,奇数値の2つなので処理後の値G2も2つになるからです。
下表は1≦X≦60の範囲でG1~G3 を1単位として処理前後の比率を計算
しています。 各単位はP値で表されます。
各P値に対応して X値/step(-1) を次の式で計算して表しています。
この数値は、P値単位で、(コラッツ計算後の値)/(1step前の値) を計算した
もので、各Pに対応する(G1+G2+G3)の期待値が1step前の値に対してどれ
だけの比率になるのかを見るものです。
期待値の計算結果は全て約 0.6 であり、すべてのP値単位において小さい
値に収束していくことが確認されました。
グループ1,3に奇数処理がない理由は-22以降何度も触れてきたように、
これらのグループは逆コラッツの処理で奇数値が発生しない、逆にいえば
コラッツの計算では奇数処理からはグループ1,3の数は発生しないため
です。 逆コラッツの計算式からもその理由がわかります。
つぎに、もっと大きな値ではどうなるのか確認のため X=1000 と 1000000
付近で見てみます。
X値が大きくなるにしたがい、期待値は 0.6 に更に近づいていきます。