徒然散歩

経済や数学など自分の興味ある分野について書いています。

2016-04-01から1ヶ月間の記事一覧

マジ経-34  経済を牽引するものは何か

経済を牽引するものは生産力だろうか需要だろうか。経済の力は生産力であることは間違いなさそうだが、経済を動かす原動力は需要である。なぜなら需要は消費意欲の大きさだから。そして結局消費量が生産量を決定する。 近代経済学の巨人ケインズは経済の原動…

マジ経-33  市場経済の負の面(2)

ここから見えてくるものは何だろうか。市場取引は別として工場労働に関しては当時の人権意識の低さだ。人の持ち時間は、その人が自由に使う権利を持つ。その権利を尊重しない意識の低さがこの搾取の根源にある。現在もブラック企業といわれている要注意企業…

マジ経-32  市場経済の負の面(1)

しかし市場経済が良い面ばかり持っているわけではない。マルクスの著書「資本論」が生まれたのは19世紀産業革命さなかのロンドンにおいてだった。当時ロンドンは手工業から機械化による工場生産への移行が進みつつあり、そこに雇用される労働者の労働条件…

マジ経-31  市場競争は生産力を鍛える

個別レベルでの意欲を掻き立てる要素とは何だろうか。それは事業存続をかけた市場での競争だ。意欲を競争に打ち勝っていこうとする意志とすれば、資本主義経済においては意欲をなくした途端に衰退への道をたどりはじめる。民間企業は資産運用や知的財産権な…

マジ経-30  社会主義経済

マルクスを源流とする社会主義経済は20世紀末にほぼ壊滅してしまったかに見える。正確には計画経済から市場経済への移行がほぼ完了したというべきか。 この最大の理由は計画経済に基づくノルマ達成主義にあるのではないか。計画経済においては生産方式が計…

マジ経ー29  資本主義経済の活力

また資本主義社会では自由に起業することもできる。十分な意欲と能力を持った人たちが社会の新たな需要に素早く対応していくことで活力ある社会が維持されていく。ただ事業が成功するにはいくつものハードルを乗り越えていかなければならない。自分の持てる…

マジ経-28  市場

市場とは需要と供給とが出会う重要な場所だ。需要の高いものは高価格で引き取られる。需要があっても供給が十分に追いついているものはそこそこの価格で引き取られる。そこには当然マルクスのいう剰余価値も入っているだろう。しかしそこにこそ市場活動活性…

マジ経-27  市場に対するマルクスの見方

資本主義経済を否定しているマルクスは市場取引を否定していた。著書「資本論」の中にその理由をうかがえる一節がある。 「商品流通の直接的形態はW-G-W、商品の貨幣への転化および貨幣の商品への再転化、買うために売るである。それとは独特に区別され…

マジ経ー26  労働者は機械を使いこなす

たしかにこのような側面がないとは言えないが、人は機械と違い考える力を持っている。機械と一緒に働く職場なら人は習熟によって機械を意のままに使いこなすことができるようになる。分業で不具化されるというが、このようになりがちなのは何も資本主義社会…

マジ経-25  資本主義経済の中の労働者

資本主義経済社会における労働者についてマルクスはその著書「資本論」の中でつぎのように述べている。 「機械によって駆逐される労働者たちは作業場から労働市場へ投げ出され、そこですでに資本主義的搾取のために自由に利用できる状態にある労働力の数を増…

マジ経-24  豊かさを享受できない社会

これまで豊かさと生産力についてあれこれ考えてきたが、日本のように生産力の拡充した社会ではすでに豊かさは実現されており、問題はむしろ格差拡大に伴って発生する豊かさを享受できない貧困の拡大とその連鎖にある。これまで一般にはお金持ちがますますお…

マジ経-23  豊かさと生産力(5)

コストダウンへの努力は行き過ぎれば無報酬の時間外労働などの劣悪な労働環境を常習化していくきっかけにもなっている。また一度希望退職に応じて職から離れた人たちは別の新たな職に就くしかないがそう簡単に希望の就職先は見つからない。したがって、人材…

マジ経-22  豊かさと生産力(4)

豊かさが向上するに伴い、社会の産業構造にも変化が現れてくる。製造業の生産力がついていくことは一人当たりの生産量が増えていくことでもあるから、同じ生産量を維持していくのであればそこに従事する人数が減少していかざるをえない。製造業以外でも豊か…

マジ経-21  豊かさと生産力(3)

豊かさが向上することはそれに伴って人々の収入が大きくなっていくことでもあるから、工場労働者の人件費も上がってくる。またいろいろなサービス業の収入も上げていかなければならないから各種サービス料金も値上がりしてくる。これは前にも見てきたように…

マジ経ー20  豊かさと生産力(2)

豊かさのきっかけを掴めるかどうかはそこにある潜在需要を正しくつかみ、それに対応できる生産力を引き出すことができるかどうかにかかっているだろう。すなわちインフラや資源を把握した上で必要な技術を伴った投資を行い、現地雇用を進めながら生産・流通…