ζ関数実数値変動の要因(2)
前回、a=0.5のとき、xが1ずつ増えていく場合と0.5ずつ増え
ていく場合とでは異なる実数の中心値に向かってシフトしている様子が
見られました。
私はこの動きは、前に見てきたオイラー定数γのようなものではないか
と考えています。オイラー定数γは調和級数の式につぎのような関係で
現れてきます。
リーマン予想の場合は指数sが複素数なので、このような偏りと共に、
b値変化に伴う脈動が発生してくるのではないでしょうか。
私は、ζ関数の指数s=a+ibにおいて、a値は関数の中心値の偏り
と振動の増幅に、b値は関数の微細振動と大きなうねりに関わっている
と考えています。
そしてx値が1刻みで増加するのではなく、連続的に増加していく場合が
数の風景-126、130で見てきたシミュレーションの式で、この場合、
a値による実数中心値のシフトはなくなり、aの効果は振幅の大きさのみ
に反映されるようです。
ここでa=0.5のとき、ζ関数の実数値が大きく+にシフトするb点2ヶ所、
0付近になるb点2ヶ所を選んで、1≦x≦10の範囲で位相θ、そして
実数値Rがどう変化していくか調べてみます。
まず、ζ関数の実数Rが大きく+にシフトするb点として、b=10と18
の場合を見てみます。図の太線が実数Rの動きを表しています。
つぎに、ζ関数の実数Rが0付近になるb点として、b=14と21の場合
を見てみます。
いずれの場合もx=1ではζ関数の実数Rは1からスタートします。
そしてb=10と18では、早くもx=2で実数Rが増加し始め、b=14と
21では減少し始めます。
これには位相θ算出の計算式θ=blogxに含まれる虚数部指数bが
支配的に関与しているようです。