徒然散歩

経済や数学など自分の興味ある分野について書いています。

数の風景-115

 波でもあり粒でもある?(1)

 前回、正と負の実数、虚数を水平、垂直の直線で表しました。
 実はこれだと、実数xが直線的に増加していく場合に、それに
 対応するeのi(2πx)乗の実数値は+から0を経由して-にいき、
 また0を経由して+に行くという動きを繰り返しながらその触れ
 幅を大きくしていきます。 この動きは虚数も同じです。
 実数軸を横軸として、直交座標系のx、eのi(2πx)乗のR、および
  i、それぞれについてこの動きを図に表します。

f:id:shurrow2005:20210626061718j:plain

 直交座標系Xでは直線的に増加していくのに対し、eの指数乗
 では実数虚数ともに波打ちながらその波形が大きくなっていき
 ます。
 上の式は eのi(2πx)乗のx倍になっています。xが実数の場合、
 0<x≦1で1回転します。そして1<x≦2でさらに1回転します。
 このような1回転を1粒とみなすことで、波を粒として扱うことが
 できるのではないでしょうか。

f:id:shurrow2005:20210626062014j:plain

 係数がxのときは1<x≦2の範囲でつぎの1回転するので、
 スタートポイントのR=1を中心として2個目の粒を描いて
 います。

 ここで、つぎのようにオイラーの公式において係数xが1のとき
 の扱い方について考えてみましょう。

f:id:shurrow2005:20210626062200j:plain

 この場合、対象はここまでのような粒の半径xの大きさの変化
 ではなく、粒1個の移動の様子をとらえることになります。
 これを波としてとらえると、つぎのように表されます。

f:id:shurrow2005:20210626062402j:plain

 ここでは粒の半径は1で、0<x≦2πで1回転するから粒1個、
 2π<x≦4πでさらに1回転すると、その粒がつぎへ移動する、
 さらに1回転すると、粒がつぎへ移動する、・・・と、つぎつぎに
 移動していくイメージになるのではないでしょうか。

f:id:shurrow2005:20210626071413j:plain

 

f:id:shurrow2005:20210626064615j:plain