一般の高次方程式の解法(1)
ここまで、ある決まった形の高次方程式の解を求めてきましたが
やはり、最終的には一般的な形の高次方程式の解について考え
てみたくなります。
そこで、最高次の係数が1で、それより小さい次数の係数および
定数項は任意の値である一般的な高次方程式について、解を求
めてみます。
一般に、Xのn次方程式の解を求めるには因数分解、つまり上の
式をつぎのようなn個の(X-□)の積の形、または少なくとも1個
以上の(X-□)と残りの高次方程式の積に変形する必要があり
ます。
(X-□)(X-□)(X-□)・・・(X-□)=0
□には各々解が入る
この式では一つでも( )の中の□が見つかれば、それが一つの解
となります。
そこで、ここまで見てきたオイラーの公式から導かれたつぎの知見
① Xの累乗根は多種類の虚数で表される
② 各虚数はすべて、R-i座標上で半径1の円周上に存在する
(R+i)形複素数に変換できる
を踏まえて、解を求めてみます。
解探査はつぎの方法で行います。
① 解を求める高次方程式をつぎの形にする
② R-i座標上において、半径1の円周上のいくつかの点を
選定する
③ 選定した点を f(X) のX値として代入して計算し、結果を
(R+i)形で記録する
④ 選定したすべての点について、計算結果をR-i座標上で
記録し、R,i 共に f(X)=0 となる点、またはその可能性
ある点を探す
高次方程式の例として、つぎのXの12乗の方程式について上の
①~④の手順で零点のありかを探してみます。
選定したX値は図の12点です。計算の結果、実数解と虚数解は
つぎのようになりました。
□で囲んだ数字が計算結果です。ここでの計算結果は実数、虚数
共に0になるX値はありません。しかし、別々になら零点がありそう
です。 まず実数については、X=-(√3-i)/2 と X=-1 との間、
そして X=-1 と X=X=-(√3+i)/2 との間の2箇所に零点があり
そうです。一方、虚数の零点については、X=-1,1 の2点が円周
上に見られます。