徒然散歩

経済や数学など自分の興味ある分野について書いています。

数の風景-120

 オイラーの公式の累乗は同じ値の繰り返しだが(1)

 オイラーの公式はeのiθ乗で表されますが、θ=2πxとしたとき、
 xが1以上の正の整数ならば、全て実数R=cos(2πx)=1になり
 ます。つまり、eのi2π乗の2乗、3乗、4乗の場合は、それぞれ
 e のi4π乗、i6π乗、i8π乗となり、計算結果はいずれも1に
 なってしまいます。
 何乗しても値に変化がないのは、ある意味あたりまえでもあります。
 そもそも1は何乗しても1でしかありませんから。
 しかしここでひるまず、なんらかの違いを探してみましょう。違いを
 調べるために、1を10分割してみます。するとe のi2π乗、i4π乗、
 i6π乗、i8π乗はそれぞれ、e のi(20π/10)乗、i(40π/10)乗、
 i(60π/10)乗、i(80π/10)乗となり、やはり1になりますが、そこまで
 の動きをi(π/10)乗に分割してR-i座標上で見てみます。
 まず、計算表はつぎのようになります。

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 つぎに上の値をR-i座標上に点として表してみます。
 上の図は0<θ≦(80π/10)の範囲で、下の図は0<θ≦(20π/10)
 の範囲で表しました。

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 2つの図は見た目には全く違いがありません。


 今度は、0<θ≦(80π/10)について、その(1/2)乗と(1/4)乗のとき、
 R-i座標上に現れる点の様子を見ていきます。

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 R-i座標上の点は、e のi(80π/10)乗で10個、その(1/2)乗で20個、
 (1/4)乗で40個になります。
 しかし、i(80π/10)乗は各点が4個の重なり、その(1/2)乗は2個の重
 なり、(1/4)乗はすべてが1個の点となります。
 つまり、見た目には点の数が増えたように見えますが、点の数は
 どれも同じ40個です。

 

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