オイラーの公式の累乗は同じ値の繰り返しだが(1)
オイラーの公式はeのiθ乗で表されますが、θ=2πxとしたとき、
xが1以上の正の整数ならば、全て実数R=cos(2πx)=1になり
ます。つまり、eのi2π乗の2乗、3乗、4乗の場合は、それぞれ
e のi4π乗、i6π乗、i8π乗となり、計算結果はいずれも1に
なってしまいます。
何乗しても値に変化がないのは、ある意味あたりまえでもあります。
そもそも1は何乗しても1でしかありませんから。
しかしここでひるまず、なんらかの違いを探してみましょう。違いを
調べるために、1を10分割してみます。するとe のi2π乗、i4π乗、
i6π乗、i8π乗はそれぞれ、e のi(20π/10)乗、i(40π/10)乗、
i(60π/10)乗、i(80π/10)乗となり、やはり1になりますが、そこまで
の動きをi(π/10)乗に分割してR-i座標上で見てみます。
まず、計算表はつぎのようになります。
つぎに上の値をR-i座標上に点として表してみます。
上の図は0<θ≦(80π/10)の範囲で、下の図は0<θ≦(20π/10)
の範囲で表しました。
2つの図は見た目には全く違いがありません。
今度は、0<θ≦(80π/10)について、その(1/2)乗と(1/4)乗のとき、
R-i座標上に現れる点の様子を見ていきます。
R-i座標上の点は、e のi(80π/10)乗で10個、その(1/2)乗で20個、
(1/4)乗で40個になります。
しかし、i(80π/10)乗は各点が4個の重なり、その(1/2)乗は2個の重
なり、(1/4)乗はすべてが1個の点となります。
つまり、見た目には点の数が増えたように見えますが、点の数は
どれも同じ40個です。