処理前後の数のグループ間移動(1)
期待値計算では収束が確認されないのに、なぜ計算の結果は全て1に
収束するのかという疑問を解き明かすために、追究を続けます。
現在stepの数値Xに対して、コラッツの計算によってその1step前後に
発生する数のグループ間移動の様子を見ることで、理解を深めることが
できるようです。
つぎの表は現在step の値Xをグループ1,2,3に分けたとき、その前後の
数値はどうなるかを計算したものです。
上表において、step(-1)はコラッツの計算において整数Xの1つ前の値
です。
各グループの数のコラッツ計算での動きはつぎのようにまとめられます。
・グループ1 全てグループ2へ移動する
・グループ2 奇数処理でグループ2に留まる
偶数処理でグループ1へ移動する
・グループ3 奇数処理でグループ2へ移動する
偶数処理でグループ3に留まる
以上から判るように、グループ1と3の数Xには偶数処理からしか移る
ことができず、奇数処理結果は全てグループ2の数Xになります。
またグループ3の偶数処理で発生した奇数はグループ3になりますが、
つぎのstepで奇数処理によりグループ2に移動します。
その流れを X≦60 の範囲で数値確認してみます。
このようにコラッツの計算により全体としてグループ2の数に集中していく
流れになっています。
コラッツ予想-3で、計算図に垂直の赤線がない偶数(6,12,18,24,・・・)
が存在するのはなぜか疑問が生まれましたが、つぎの2点の理由により、
奇数値処理スタートからの数値移動を表すその図には現れないからである
ことがわかりました。
処理前後の「数値のグループ間移動」
① 奇数処理からはグループ3の数は発生しない
② 奇数処理でグループ2に移った数は、その後の処理で
グループ1と2との間の数値移動となる