素数定理(1)
素数については数の風景-7で触れていますが、その後も出てきたので
もう少し詳しく見てみます。
1,2,3、・・・と数えていく自然数nの中に素数はいかにも気まぐれに存在
しているように見えますが、その増え方には一定の法則があると考えられ
素数定理はそこから生まれたもののようです。
「素数に憑かれた人たち」の著者ジョン・ダービーシャーによると、素数定
理には2通りの表し方があって、1つは X/logX で表され、2つ目はつぎ
のような「対数積分関数」(以下、Li(x) と表示)でも表されているようです。
ここで X は正の整数です。自然数nと同じなので、これからしばらく入り乱
れて出てくるかもしれませんが、基本的に同じ扱いとなります。
ここで2つの素数定理についてn≦1000の範囲で計算した値をグラフで
見てみます。
ここで Li(x)の値は∑1/logxとして計算しているので、X=1から
1刻みで計算し、その値を各n値までの合計値で表しています。
π(n)は素数の実際の累積個数です。 図で X/logX はπ(n)より小さく、
Li(x)はπ(n)より大きくなっています。 この差は何でしょうか。計算して
みました。
表から素数定理 X/logX に差の値 B を加えた値は、3~4ほど大きい
けれど、ほぼ Li(x)に近い値になりました。