閑話休題(1)
今回は一休みです。
ここで実数と虚数、+と-について私のイメージを描写してみます。
ここには私の独断と偏見が充満していることをお断りしておきます。
それは真っ直ぐな1本道をてくてくと歩いている自分がいて、前には
これから近づいてきて自分の足元に来る道、後ろには通り過ぎて遠
ざかっていく道が続いているような世界です。
数の世界ではこれから通る道が+の数、通り過ぎてきた道が-の数、
そして左右に見える景色は虚数iの世界です。-や虚数iの世界はこれ
から実現することはできない世界です。
実は道は1本でなくてもよく、地平線まで広がる大草原でもいいのです。
今ここを歩いている自分が向かっている正面の一直線が+です。
そして後ろの正面から伸びる一直線が-です。常に自分の足元が0で
線の手前が小さい数、先の方が大きい数になります。そしていつも左右
の景色は i の世界です。右の一直線が-i の世界、左の一直線が+i
の世界となります。
通り過ぎてきたところが恋しくなって引き返し始めた瞬間にその道は+
となり、これまでの+の道は-の世界への道となるでしょう。
そしてたどりついた元のところは、自分が通り過ぎてきたのは確かだけれ
ど、それは隔絶された過去の世界の出来事であり、現在に引き戻すこと
はできません。
-の世界と同様、±i の世界もこのままでは実現できません。右の景色に
惹かれて右へ向かい始めた瞬間、その景色は+の世界となり、そこへの
道は+の道となります。
じっとしてただ周りを見回しているだけでは過去の情報が景色となって
目に入ってくるだけです。いわば四方を過去(-)に取り囲まれている
ような状況です。じっと立ち止まっているのではなく動き出すことで+の
世界が開けてくるでしょう。