徒然散歩

経済や数学など自分の興味ある分野について書いています。

数の風景-80

 高次方程式を解く(1)

 このような虚数たちを気味悪がっているだけでは面白くありません。
 そこでこれをうまく利用して高次方程式を解くことができないだろうかと
 考え、まず3次方程式に取り組むことにしました。
 つぎのようなXの3次方程式の解はどうなるでしょうか。

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 これが解 a,b,c を持つとするとき、上の式は下のようにも表され、
 その展開式は上の3次方程式に一致しなければなりません。それに
 は各次数のXの係数および定数値が上の方程式の各係数(ここでは
 すべて1)に等しくなる必要があります。こうして3元連立方程式が導か
 れます。

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 これを解いて、解 a,b,c の値を求めます。そうするとその解は、
 つぎのように、解 a,b,c の3つの組合せがあることが分かりました。
 解の中には i よりも下位の虚数 ij や j も含まれています。

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 ここでは省略しますが、これが間違いないかどうかは、それぞれの
 a,b,cの組について、(X-a)(X-b)(X-c)=0 の展開式が、
 最初の3次方程式に一致するかどうかで確かめることができます。

 

 

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数の風景-79

数の風景-79

 各虚数間の計算方法

 ここまで見てきた中で、1の累乗根連続4回で8種類の数が現れ、その
 うち7種類が虚数です。それぞれに+と-があるので、合計16種類に
 別れ、そのうち14種類が虚数です。
 ここで、これら16種類の数の間での計算方法を整理します。
 まず四則演算をしてみます。加減算は文字の加減算と同じように、同じ
 虚数どうしで加減算をします。

  [計算例1] 加減算
     1+i+2j+k-3j+5jk+ik-2ij+4i-2+ijk

     -3ik-2jk
    =-1+5i-j-2ij+k-2ik+3jk+ijk

 乗除算も基本的には文字式の計算と同じです。先に乗算どうしを計算
 し、つぎに除算を計算するほうが簡単な気がします。

  [計算例2] 乗除算
     i×2j×k÷3j×5jk×ik÷2ij×4i×ijk÷3ik÷2jk
    =2ijk×5ijkk×4iijk÷3j÷2ij÷3ik÷2jk
    =(2×5×4)/(9×4)×(ijk×ijkk×iijk)/

     (ijj×ijkk)
    =(10/9)iikk
    =-(10/9)j

 つぎに 加減算と乗除算とを混合した式を計算してみます。計算順序
 は文字式の計算と同じく先に乗除算を行い、そのあと加減算を行い
 ます。

  [計算例3] 加減算,乗除算混合
     i×2j+k÷3j×5jk+ik÷2ij×4i-ijk×3ik÷2jk
    =2ij+5i÷3j-4k÷2ij+3i÷2jk
    =2ij+(5/3)j+2jk+(3/2)k
     (注)-4k÷2ij の計算は -4k=4iik=4ijjk として

        2ijで割る
        3i÷2jk の計算は 3i=3jkk として2jkで割る

 組み合わせ虚数記号の付いた数の平方根をとる場合は、それぞれの
 記号について虚数記号を付けることになります。
 たとえば -4ij という虚数があったとき、その平方根は 4が2と-2、
 -がi、iがj、jがk になるので、2ijk と-2ijk になります。

  [計算例4] 平方根    -4ij の平方根は ±2ijk

 

 

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数の風景-78

 多種類の虚数(3)

  前々回、前回と 平方根や共役複素数をとり続けていくことにより、多く
 の虚数が現れてくる様子を見てきましたが、ここでは i 以下のいろいろ
 な虚数について、それを累乗していくことでどのように変化していくかを
 見てみます。
 それぞれの虚数は累乗していくことにより、別の数世界へ変位していく
 ようです。その変位の様子について、正の整数1以下の各種類について
 まとめてみました。ここには 1,-1, i の下位に j や k を加えてみま
 した。

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 初期値が虚数 i の場合、2乗で-1、3乗で-i、4乗で1になります。
 そこを四角の枠で囲んでいます。そして5乗目からまた i からスタート
 します。つぎに虚数 j を見てみると、8乗で1にたどり着き、その次から
 また1巡していきます。虚数 k では、16乗で1にたどり着きます。
 これらの動きは私の考えでは理にかなったもので、-は1を(1/2)乗
 したときに現れてくるもので、i は1を(1/4)乗したときに、j は1を
 (1/8)乗したときに、k は1を(1/16)乗したときにそれぞれ現れ
 てきます。1はその逆で、-を2乗したときに、i を4乗したときに、j を
 8乗したときに、kを16乗したときにそれぞれ現れてきます。

 

 

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数の風景-77

 多種類の虚数(2)

 前回、平方根をとり続けていくことにより、多くの虚数が現れてくる様子
 を見てきましたが、共役複素数をとることによっても多くの虚数記号が
 発生します。
 共役複素数の関係式を用いて、つぎのように上位の虚数を下位の虚数
 の積に分解することができます。

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 この関係から、マイナスの数は実数に分類されていますが、符号“-”は
 虚数群の筆頭に位置する存在でもあることがわかります。
 また、この関係を用いて1をつぎのようにも表すことができます。

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 この関係から、2をつぎのように共役複素数に分解することもできます。

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 1の場合は上の関係式に各段階で2の-(1/2)乗が掛かってくるので、
 つぎのようになります。

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数の風景-76

 多種類の虚数(1)

 数の風景-10で、実数の平方根を複数回とるたびに別種の虚数記号
 が増えていき収拾がつかなくなるのではと考えました。その後いろいろ
 考えあぐねた末に、今ではそのような虚数の存在は無視できないのでは
 ないかと考えるに至りました。それどころか-(マイナス)から i、

 i からその下位の虚数へと連綿と続き、いろいろな虚数を組み合わせた

 虚数まで存在するのではないだろうかと推測しています。
 ここでは平方根をとり続けていく場合について考えます。

 

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 平方根をとるたびに虚数が増えていきますが、この分類ではいくつかの
 虚数記号を組み合わせた虚数も存在します。

 

 

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数の風景-75

 閑話休題(3)

 今回はお休みです。
 宇宙についてのイメージトレーニングとして、いろいろな情報を自分なり
 に整理して「宇宙イメージ」を作ってみました。

 下の図は、宇宙の形や大きさを表しているものではなく、私たちがいる
 現在の宇宙と私たちが観測できる宇宙との関係を光速(単位:光年)に
 よる距離で表した関係図です。なので距離というより時間の関係図です。
 図では現在地の真下に1点だけ座標の中心を描いています。 ここで
 ビッグバンが発生し、138億年後の時空の最先端が破線の現在宇宙
 に当たるとします。

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 私たちが存在している宇宙の現在点は球面(図では円)上に分布する
 時空の最先端にあり、球面上の各点には絶え間ない時間の流れが外
 から内側へ向かって流れ込んでいきます。
 その流れによって宇宙を3次元空間の拡がりとして捉えることができ、
 現在宇宙の一点にいる私たちは、138億年前のビッグバン以後現在
 に至るまでの宇宙の情報を受信できます。それは図に桃の表面のよう
 な形をしている経路を通って届きます。これを観測宇宙と呼びましょう。
 図で見るかぎり、私たちに届く観測宇宙の情報は全宇宙情報ではなく、
 そのほんの一部です。

 図を観測者を中心として書き直せば、つぎのようになるでしょうか。
 現在宇宙の大きさは実際わかるはずもありませんが、少なくともビッグ
 バン当時の宇宙は138億光年彼方の赤の破線になります。

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 地球上から私たちが観る宇宙の景色は、どの方角を見ても数年、数万
 年あるいはそれ以上の遠い過去宇宙で発せられた光や電波を今キャ
 ッチしており、それはつぎの図のように私たちを中心に広がっています。

 

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 宇宙には現在、過去、未来が渾然一体としてある。満天に広がる宇宙の
 景色は、広大な宇宙の全貌を見ているのではなく、その1断面である観
 測宇宙の情報を受け取っている。そしてわれわれが見ることができない
 世界がすぐ隣につながっている。 そういうことも大いにありうるのでは
 ないでしょうか。

 

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数の風景-74

 ζ(ゼータ)関数について

 この関数は1以上の全ての自然数を決まった値sで累乗し、それぞれの
 逆数を足し合わせるものです。 一般にsには複素数以下、全ての数が
 適用されているようです。

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 s=1 の場合は、数の風景-55で見てきたように log∞ にオイラー
 定数γを加えた値になります。

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 s=1 の場合 log∞ は ∞ に発散するため、log∞ + γ も やはり ∞
 に発散してしまいます。
 s=2 の場合は、バーゼル問題として収束値が求められていたのです
 が、オイラーによってその解が明らかにされました。

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 詳しくは「オイラー入門」(W.ダンハム(著))の中で解説されています。

 sが複素数の場合に、「リーマン予想」という難問がありますが、これは
 「ζ関数の自明でない零点の実数部は全て 1/2 である」というもの
 ですね。「素数に憑かれた人たち」(ジョン・ダービーシャー著)によると、
 「オイラーの積の公式」がこれを解く黄金の鍵となるようです。
 分数の和の形であるζ関数を、素数のみを使った積の形に変換できる
 ことをオイラーによって示されたものが「積の公式」で、公式導出の過程も
 その本の中で解かりやすく解説されています。

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 しかし、この式からどうやって零点を求めることができるのか私には解か
 らないので、ζ関数をそれとは別の式でシミュレーションして零点に迫る
 ことができないか模索しているところです。


 

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