高次方程式を解く(1)
このような虚数たちを気味悪がっているだけでは面白くありません。
そこでこれをうまく利用して高次方程式を解くことができないだろうかと
考え、まず3次方程式に取り組むことにしました。
つぎのようなXの3次方程式の解はどうなるでしょうか。
これが解 a,b,c を持つとするとき、上の式は下のようにも表され、
その展開式は上の3次方程式に一致しなければなりません。それに
は各次数のXの係数および定数値が上の方程式の各係数(ここでは
すべて1)に等しくなる必要があります。こうして3元連立方程式が導か
れます。
これを解いて、解 a,b,c の値を求めます。そうするとその解は、
つぎのように、解 a,b,c の3つの組合せがあることが分かりました。
解の中には i よりも下位の虚数 ij や j も含まれています。
ここでは省略しますが、これが間違いないかどうかは、それぞれの
a,b,cの組について、(X-a)(X-b)(X-c)=0 の展開式が、
最初の3次方程式に一致するかどうかで確かめることができます。