前回、実数部指数uが定数の場合について考えましたが、今回はuが1次変数の
場合について微積分を考えてみます。
関数 f(u)・g(v) の微分は f’(u)、g’(v)が f(u)、g(v)の微分関数である
とき、 f’(u)・g(v)+f(u)・g’(v) となる関係を利用して
このようにオイラーの公式を用いた複素変数について微積分を行うことにより、
微積分の連鎖が途切れないようにすることができました。
しかしオイラーの公式の微積分は、これまでの微積分のイメージと全く異なって
います。実数の式では積分は曲線y=f(x)がy=0の線との間に作る面積を、
微分は曲線f(x)の傾きの変動を表します。しかし、ここに見る複素数の微積分は、
複素数の式本体には変化がなく、eの実数部指数が1次の変数uで虚数部指数が
+iv であるとき、微分を1回するたびに(1+i)が1つ掛かってくる、逆に積分を1回
するたびに1/(1+i)が1つ掛かってくるという奇妙なことになりました。