徒然散歩

経済や数学など自分の興味ある分野について書いています。

数の風景-44


 オイラーの公式を用いた微積分の連鎖の検討(2)


 前回、実数部指数uが定数の場合について考えましたが、今回はuが1次変数の
 場合について微積分を考えてみます。
 関数 f(u)・g(v) の微分は f’(u)、g’(v)が f(u)、g(v)の微分関数である
 とき、 f’(u)・g(v)+f(u)・g’(v) となる関係を利用して

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 このようにオイラーの公式を用いた複素変数について微積分を行うことにより、
 微積分の連鎖が途切れないようにすることができました。
 
 しかしオイラーの公式微積分は、これまでの微積分のイメージと全く異なって
 います。実数の式では積分は曲線y=f(x)がy=0の線との間に作る面積を、
 微分は曲線f(x)の傾きの変動を表します。しかし、ここに見る複素数微積分は、
 複素数の式本体には変化がなく、eの実数部指数が1次の変数uで虚数部指数が
 +iv であるとき、微分を1回するたびに(1+i)が1つ掛かってくる、逆に積分を1回
 するたびに1/(1+i)が1つ掛かってくるという奇妙なことになりました。
 

 

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