徒然散歩

経済や数学など自分の興味ある分野について書いています。

数の風景-72


 Γ関数について(2)

 前回、Γ関数の「大顎」の強力な分解力を見てきました。ここで試しに
 いくつかの関数を鋏んで計算してみます。
 まず2次関数から

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 つぎに3次関数を鋏んでみます。

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 この大顎の威力の源は何でしょうか。それはその構造を見れば分かり
 ます。
 積分記号は、対象とする関数f(t)を0 から ∞ までの範囲で積分する
 ことを宣言しています。対象とする関数f(t)にはeの-t乗が掛けられて
 おり、「『対象とする関数f(t)はeのt乗の何倍か』を表す t の関数」に
 変えられています。それを実数 t ≧0の全範囲にわたって積分している
 わけです。
 Γ関数の大顎はものすごく強力な関数分解装置で、まるで eのt乗 と
 いうまな板の上で、積分記号∫の包丁を使って素材である 関数f(t) を
 切り捌いていっているかのようです。

 

 

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