Γ関数について(2)
前回、Γ関数の「大顎」の強力な分解力を見てきました。ここで試しに
いくつかの関数を鋏んで計算してみます。
まず2次関数から
つぎに3次関数を鋏んでみます。
この大顎の威力の源は何でしょうか。それはその構造を見れば分かり
ます。
積分記号は、対象とする関数f(t)を0 から ∞ までの範囲で積分する
ことを宣言しています。対象とする関数f(t)にはeの-t乗が掛けられて
おり、「『対象とする関数f(t)はeのt乗の何倍か』を表す t の関数」に
変えられています。それを実数 t ≧0の全範囲にわたって積分している
わけです。
Γ関数の大顎はものすごく強力な関数分解装置で、まるで eのt乗 と
いうまな板の上で、積分記号∫の包丁を使って素材である 関数f(t) を
切り捌いていっているかのようです。