黄金比 その(2)
多重根号の式からつぎのような方程式が導かれます。
また黄金比とその対の値の関係はつぎのように美しい関係が見られます。
前回の答え
これは連分数を方程式に置き換えることで導かれます。
実数と虚数の和の形は複素数と呼ばれていますね。複素数の計算法
実数と虚数は直接乗除算できますが加減算は実数は実数どうし、虚数は
虚数どうしで行います。
2つの複素数 a+i b と c+i d の加減乗除をやってみます。
(a+i b)+(c+i d) = (a+c)+i( b+d)
(a+i b)-(c+i d) = (a-c)+i( b-d)
(a+i b)×(c+i d) = (ac- bd)+i( bc+ad)
(a+i b)÷(c+i d) = (a/c+b/d)+i( b/c-a/d)
ここでc=a、d=-bとすると c+i d=a-i b となりますが、
a-i b は a+i bの共役複素数といわれていますね。共役複素数の加減
乗除はどうなるか見てみます。
(a+i b)+(a-i b) = 2a
(a+i b)-(a-i b) = i 2b
(a+i b)×(a-i b) = (aa+ bb)
(a+i b)÷(a-i b) = i b/a-a/i b=i(aa+ bb)/(ab)
それがどうしたと言われればそれまでですが、共役どうしの計算では加算と乗算の
結果は実数のみ、減算と除算の結果は虚数のみとなることがわかります。
虚数
ここまでの数はすべて実数のグループに入りますが、ここでさらに虚数という
ものが出現します。これは2乗したら-になる数です。その数の素ともいうべき
ものは通常 i で表されます。 この i は i × i = -1
という性質を持っているとされており、通常 実数の前か後ろにくっつけて表示
します。するとその数は、2乗したら負の実数になります。
この虚数の世界は実数にこの i をくっつけることにより、実数と同じ規模の
虚数の世界を作り出すことができます。
だがここで私ははたと考え込んでしまいました。2乗したら-になる数の世界が
あるのなら2乗したら i になる数の世界もあるのではないか。 もしそれを
j としたら、 j × j = i となります。するとまた2乗したら j
になる数の世界もあるのではないかということになり、際限なく数の世界が広が
っているような気がしてきます。このような無間地獄から逃れる道はあるので
しょうか。
前回の答え
答えは 「できる」 です。 1例だけ挙げておきます。
2の1/2乗 × 2の1/3乗 × 2の1/6乗 = 2
1.41421・・・×1.25992・・・×1.12246・・・=2
これは指数の計算で簡単に説明できます。
掛け算は指数どうしの足し算になるので
1/2+1/3+1/6=1 となり、答えは
2の1乗で2となります。
これまでの数全体を有理数といわれていますが、ここで無理数というものも
出現します。これはたとえば指数の値が分数で表されるような数字に混じって
います。
例として1から10までの1/2乗の値について見てみましょう。これは平方根
と呼ばれていますね。
1 の1/2乗 1
2 の1/2乗 1.41421・・・
3 の1/2乗 1.73205・・・
4 の1/2乗 2
5 の1/2乗 2.23606・・・
6 の1/2乗 2.44949・・・
7 の1/2乗 2.64575・・・
8 の1/2乗 2.82843・・・
9 の1/2乗 3
10 の1/2乗 3.16228・・・
この例では無理数が7個現れました。無理数の場合は小数点以下の数の並び
に規則性が見られません。そしてそのような数の並びは無限に続くようです。
なんだか気が遠くなるような話です。
ここで問題です
いくつかの異なる無理数を使って有理数をつくることはできるでしょうか。
答えは次回ブログで
-(マイナス)の数
つぎに-(マイナス)記号について考えてみます。
整数の前に-をつけると負の整数になります。これは目ではなかなか見え
ませんがどこかを基準値0にしてそれからの差をみるときに現れます。
長さや重さなど測定できるものはなんでも、同じものを合計してそれを足し
合わせた個数で割れば平均値を出すことができます。たとえば100個の
リンゴの平均重量が230グラムだったとします。ちょっと大ぶりのものが250
グラムあったとしたら平均値+20グラムとなり、小ぶりのものが200グラム
だったとしたら平均値-30グラムとなりますね。統計学はこの計算からどん
どん発展していったといっても過言ではないでしょう。
+の指数を持つ数が分数の分子にあるとき、この指数の前に-をつけると、
+の指数を持つ数が分母に移るのと同じ効果になります。つまり、分子に
ある+の指数を持つ数は掛け算をする場合に相手の数に直接掛けることが
できますが、-の指数を持つ数は相手の数が分数でない場合は-が消えて
相手の分母になる、相手が分数の場合は-が消えて相手の分母に掛ける
ことになります。
まとめれば、-の記号を付け加えることにより+の数世界にそれと匹敵する
規模の-の数世界が加わり、数の世界が拡張します。そして-の計算ルール
さえ守っていれば、それ以外は-の数世界も+の数世界と全く同じように
扱うことができます。 数の世界はどんどん広がっていきます。
前回の答え
答えは 両方とも「できる」 です。 1例ずつ挙げておきます。
素数でない数で素数をつくる
12 ÷ 4 = 3
素数だけで別の素数をつくる
7 - 5 = 2
素数
素数は1,2,3,4,・・・と続く自然数の中で1とその数自身でしか割り切れ
ない数です。
20までの数でそれに該当する数は1を除けば2,3,5,7,11,13,17,
19の8個あります。数が増えるにつれて現れる素数の数は少しずつ少なくなって
いくようですが、どれだけ大きくなっても発生しなくなることはないそうですね。
この素数の現れる確率を表す素数定理というものがあり、それに関連する研究は今
も続けられているようです。
リーマン予想の証明という難問もこの素数に関係したものだそうで、面白そうだけど
専門的過ぎて私は付いていけません。ただ あとで何らかの機会に素数定理に触れる
かもしれません。
それにしても素数というものをどう理解したらいいんでしょうか。私は「1を除く
素数の網かごが、それぞれの素数からスタートしてその素数の長さごとに編み
こまれていく網紐でつくられており、大きく編み進めていくほどに1本の網紐も
通さない穴が現れる。そこからまた新しい網紐をスタートさせてさらに編み進め
ていく。しかしどれだけ網紐数を増やしても世界を1つの穴もなく包み込むこと
はできない。」というようなイメージをもっています。
ここで問題です
つぎの条件で、素数でない数で素数をつくることかできますか。逆に素数
だけで別の素数をつくることはできるでしょうか。
条件: 計算式には1は使わないこと、そして+-×÷まで使っていいこと
にします。
答えは次回ブログで