徒然散歩

経済や数学など自分の興味ある分野について書いています。

マジ経-66  生産力の数式表示(再び)

 生産力の評価法についてはマジ経-14.で考えた。そこでは生産力を、生産数に比例し価格に反比例するとの考えから「生産数/価格」と表される、また生産高を実現した人数で評価できるとの考えから「生産高/人数」すなわち「生産数×価格/人数」とも表される、と考えた。じつはこの先を書いていなかった。この両者を統合する必要がある。この両者を統合するには両式を掛け合わせる。すると生産力の2乗となるので掛け合わせたあと平方根をとる。計算の結果、統合の生産力は「生産数/√(人数)」となる。これには生産力の量的面(生産量)と質的面(生産性)の2つの要素が含まれている。
 この表示法によれば、一定期間中に生産量が50%増加、生産人員が10%増えたとしたら、生産力は43%増加したとなる。また生産量が50%増加、生産人員が10%減ったとしたら、生産力は58.1%増加したとなる。
  <ニッコウキスゲ> 庭に咲くニッコウキスゲ播いた種 

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マジ経-65  生産性とは

   ここからまた生産力と供給力、そしてその大きさが景気変動に伴う物価の動きにどのように現れてくるかについ て考えていく。
 
生産性とは
   生産力に関する指標として「生産性」という言葉がよく使われるが、その生産性について考えてみる。まず自然界の場合、そこでは生物が生きていくのに食料が必要だ。生物が食料を確保するのに要するエネルギーがA、その食料から取り出して利用できる総エネルギーがBのとき、生産性はB/Aとなる。貨幣経済社会でにおいてはAを有価値を生み出すための総費用、Bを生み出された有価値の売上高として、生産性は同じくB/Aとなる。B/A>1でなければ活動は維持できない。生産性-1は貸付金利の源泉ともなる値である。というのも生産性が大きいほど金利払いの原資となる利潤が大きくなるから。
  <ムクゲ> 梅雨に濡れ俯く夏至から咲くムクゲ

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マジ経-64  イギリスEU離脱の波紋

 イギリスで国民投票の結果、EU離脱ということになった。これに国際金融市場は大きく反応、すべての株式相場は急落し、外為市場では円が急騰した。この離脱で最も危惧しているのは英国に進出した各企業ではないか。今後のEUとの取引に関税が加わったり取引の手続きが煩雑になったりなどのマイナス要因が出てくる可能性が大きいからだ。各企業にとってこの離脱の悪影響をいかに回避していくかが当面の大きな課題として加わった。
 株価や外為相場の動きについては前にも考えた通り、基本的に予測不能(心理には「裏をかく」レシピもあるため)だ。ただ、外為相場については離脱後のイギリスとEUとの取引関係などが明確になるまではユーロ、ポンド共に円に対してこれまでより安値で推移するだろうからその影響もあって対ドルも100円台前半/$で当分の間推移するだろう。というのが大方の予測ではないだろうか。
  <ダリア> 集まりて競う真紅のダリアかな

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マジ経-63  外為市場の動きは

 ところで外為市場の動きも国内物価と同じくらいの重さで扱われ、公表されてもよいのではないか。外為市場というより円・ドルレートや円・ユーロレートの動きと外国の主要都市の物価(円換算,ドル換算)の動きを把握する。例えば、少なくとも20カ国程度の代表的都市の消費者物価の動きを見る。対象品目は日常生活に必須の食品・飲料品・日用品・衣料費・交通費・水光熱費・居住費などから選定する。
 この狙いは海外の物価動向を見るとともに、例えば円・ドルレートが生活実感として大体どの辺りが均衡のとれた値なのかを見ること、そして現在の為替レートの動きが投機的なものか正常に戻す動きなのかの判断材料にすることだ。またこれを見る人々にとって取引先や海外旅行先の選定とタイミングなどを判断するための参考になることも。
  <ギボウシ> ギボウシは葉に紫の花を添え

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マジ経-62  経済の主体は何か(2)

 ここでの一貫した経済を見る立場は、実際の有価値の流れをいかに正しく掴むかであり、それを貨幣で集計してもその対象はあくまでも有価値の生産と消費の流れを見ることにある。
 現在、国債の累積額が大きな問題になっている。この累積赤字は1000兆円を超える目もくらむほどの大きさだ。しかしこれが有価値の生産と消費、つまり実体経済にどれだけ関わっているのだろうか。 国は巨大な債務を国債の債権者に対して負っている。一方、国有の資産も巨額に上るという。そうなら、国内の経済活動に支障ないよう、国の資産を国債の穴埋めに処分すればいいのではないか。とにかく納得できる消費税増税の必要理由がほしい。もし持ち過ぎた資産の運用に増税が必要ということならば自分は反対だ。
  <タチアオイ> 真直ぐに立ち青い空花開き

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マジ経-61  経済の主体は何か(1)

 貨幣は有価値との交換に使用される。それは有価値を手に入れるときに手放され、有価値を手放すときに入手される。貨幣は有価値の流通を支え、その運用によって生産者と消費者間の取引が円滑に行われる。しかしそれはあくまでも流通の媒体であり、経済の主体は流通する有価値そのものだ。
 経済を活性化するのによく金融緩和策が執られる。貨幣の量が多いほど購買力が大きくなるので貨幣量は多いに越したことはないように考えられがちだが、貨幣が真に有価値を必要とする人々の手まで行き渡らなければ経済活性効果は現れにくいだろう。
ビョウヤナギ> 金色の花の簪ビョウヤナギ

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マジ経-60  マネー経済は何で動く(2)

 これは推測でしかないが、民主党時代には円高対応策に対して足元を見られていた。一方自民党時代になってからは足元が見えなくなって利益確定の動き(円が高いうちにドルを買い戻そうとする動き)へ転じたということだろう。このような動きの発端には特に理論的必然性はなく、ただあるのは心理(マインド)だけではないだろうか。貨幣の運用は、まず儲けること、ただし大損だけは絶対に回避しなければならないという心理の下で行われているから、大方の運用者の動向を読みながらさて自分はどうするかということになるのだろう。
  <カンナ> 真夏日に負けぬカンナの強さかな

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