徒然散歩

経済や数学など自分の興味ある分野について書いています。

数の風景-88

 各虚数の整理と表示(7)

 虚数記号での計算結果と(R+i)形での計算結果の間に矛盾が発生
 しなければ、両者は何の制限もなく相補的に計算可能となります。
 これまでの検証結果では矛盾は発生せず、両者は制限なく相補的に
 計算可能といえるようです。
 そこで事例による確認として、数の風景-79で各虚数のランダムな
 加減乗除虚数記号で行った[計算例1]から[計算例4]の結果に
 ついて、各虚数を(R+i)形に変換して計算した結果と一致するかどう
 かを見てみます。
 各種の数に対応する(R+i)形の値はつぎのようになります。

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 検証の方法は、元の式(1行目)と虚数記号での計算結果の式(2行目)
 とにそれぞれ(R+i)形の値を入れて計算し、両者の値が一致するか
 どうかを見ます。


[計算例1]より
1+i+2j+k-3j+5jk+ik-2ij+4i-2+ijk-3ik-2jk
=-1+5i-j-2ij+k-2ik+3jk+ijk

  この例は加減算のみなので、1行目と2行目の式は(R+i)形に変換
  しても同じであることは直感的にわかりますが、1行目と2行目を別々
  に計算して結果を比較します。
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  両者の結果が一致し、OKであることが確認されました。

 

[計算例2]より
  i×2j×k÷3j×5jk×ik÷2ij×4i×ijk÷3ik÷2jk
  =-(10/9)j

  これは乗除算のみの計算例です。1行目の計算はまず掛け算どうしの
  項を計算して、つぎに割り算どうしの項を掛け算して、前者の結果を後
  者の結果で割ります。その結果が2行目の計算結果と同じかどうかを
  見ます。

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  両者の結果が一致し、OKであることが確認されました。


 [計算例3]より
     i×2j+k÷3j×5jk+ik÷2ij×4i-ijk×3ik÷2jk
    =2ij+(5/3)j+2jk+(3/2)k

  これは加減乗除がすべて入った式の計算例です。

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  1行目と2行目の計算結果が一致し、OKであることが確認されました。

 

  [計算例4]より
    -4ij の平方根は ±2ijk

  ここでは平方根の2乗が元の虚数に戻るかどうかを見ます。

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 以上、いろいろな計算式について見てきましたが、いずれも計算結果が
 一致しました。
 各虚数を含む計算式は、まず虚数記号での計算を優先して行い、式を
 できる限り簡素化した上で、各種の数を(R+i)形に変換して計算するの
 が最も効率的で精度も高いようです。

 

 

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