各虚数の整理と表示(7)
虚数記号での計算結果と(R+i)形での計算結果の間に矛盾が発生
しなければ、両者は何の制限もなく相補的に計算可能となります。
これまでの検証結果では矛盾は発生せず、両者は制限なく相補的に
計算可能といえるようです。
そこで事例による確認として、数の風景-79で各虚数のランダムな
加減乗除を虚数記号で行った[計算例1]から[計算例4]の結果に
ついて、各虚数を(R+i)形に変換して計算した結果と一致するかどう
かを見てみます。
各種の数に対応する(R+i)形の値はつぎのようになります。
検証の方法は、元の式(1行目)と虚数記号での計算結果の式(2行目)
とにそれぞれ(R+i)形の値を入れて計算し、両者の値が一致するか
どうかを見ます。
[計算例1]より
1+i+2j+k-3j+5jk+ik-2ij+4i-2+ijk-3ik-2jk
=-1+5i-j-2ij+k-2ik+3jk+ijk
この例は加減算のみなので、1行目と2行目の式は(R+i)形に変換
しても同じであることは直感的にわかりますが、1行目と2行目を別々
に計算して結果を比較します。
両者の結果が一致し、OKであることが確認されました。
[計算例2]より
i×2j×k÷3j×5jk×ik÷2ij×4i×ijk÷3ik÷2jk
=-(10/9)j
これは乗除算のみの計算例です。1行目の計算はまず掛け算どうしの
項を計算して、つぎに割り算どうしの項を掛け算して、前者の結果を後
者の結果で割ります。その結果が2行目の計算結果と同じかどうかを
見ます。
両者の結果が一致し、OKであることが確認されました。
[計算例3]より
i×2j+k÷3j×5jk+ik÷2ij×4i-ijk×3ik÷2jk
=2ij+(5/3)j+2jk+(3/2)k
これは加減乗除がすべて入った式の計算例です。
1行目と2行目の計算結果が一致し、OKであることが確認されました。
[計算例4]より
-4ij の平方根は ±2ijk
以上、いろいろな計算式について見てきましたが、いずれも計算結果が
一致しました。
各虚数を含む計算式は、まず虚数記号での計算を優先して行い、式を
できる限り簡素化した上で、各種の数を(R+i)形に変換して計算するの
が最も効率的で精度も高いようです。