閑話休題(3)
今回はお休みです。
宇宙についてのイメージトレーニングとして、いろいろな情報を自分なり
に整理して「宇宙イメージ」を作ってみました。
下の図は、宇宙の形や大きさを表しているものではなく、私たちがいる
現在の宇宙と私たちが観測できる宇宙との関係を光速(単位:光年)に
よる距離で表した関係図です。なので距離というより時間の関係図です。
図では現在地の真下に1点だけ座標の中心を描いています。 ここで
ビッグバンが発生し、138億年後の時空の最先端が破線の現在宇宙
に当たるとします。
私たちが存在している宇宙の現在点は球面(図では円)上に分布する
時空の最先端にあり、球面上の各点には絶え間ない時間の流れが外
から内側へ向かって流れ込んでいきます。
その流れによって宇宙を3次元空間の拡がりとして捉えることができ、
現在宇宙の一点にいる私たちは、138億年前のビッグバン以後現在
に至るまでの宇宙の情報を受信できます。それは図に桃の表面のよう
な形をしている経路を通って届きます。これを観測宇宙と呼びましょう。
図で見るかぎり、私たちに届く観測宇宙の情報は全宇宙情報ではなく、
そのほんの一部です。
図を観測者を中心として書き直せば、つぎのようになるでしょうか。
現在宇宙の大きさは実際わかるはずもありませんが、少なくともビッグ
バン当時の宇宙は138億光年彼方の赤の破線になります。
地球上から私たちが観る宇宙の景色は、どの方角を見ても数年、数万
年あるいはそれ以上の遠い過去宇宙で発せられた光や電波を今キャ
ッチしており、それはつぎの図のように私たちを中心に広がっています。
宇宙には現在、過去、未来が渾然一体としてある。満天に広がる宇宙の
景色は、広大な宇宙の全貌を見ているのではなく、その1断面である観
測宇宙の情報を受け取っている。そしてわれわれが見ることができない
世界がすぐ隣につながっている。 そういうことも大いにありうるのでは
ないでしょうか。