徒然散歩

経済や数学など自分の興味ある分野について書いています。

数の風景-74

 ζ(ゼータ)関数について

 この関数は1以上の全ての自然数を決まった値sで累乗し、それぞれの
 逆数を足し合わせるものです。 一般にsには複素数以下、全ての数が
 適用されているようです。

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 s=1 の場合は、数の風景-55で見てきたように log∞ にオイラー
 定数γを加えた値になります。

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 s=1 の場合 log∞ は ∞ に発散するため、log∞ + γ も やはり ∞
 に発散してしまいます。
 s=2 の場合は、バーゼル問題として収束値が求められていたのです
 が、オイラーによってその解が明らかにされました。

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 詳しくは「オイラー入門」(W.ダンハム(著))の中で解説されています。

 sが複素数の場合に、「リーマン予想」という難問がありますが、これは
 「ζ関数の自明でない零点の実数部は全て 1/2 である」というもの
 ですね。「素数に憑かれた人たち」(ジョン・ダービーシャー著)によると、
 「オイラーの積の公式」がこれを解く黄金の鍵となるようです。
 分数の和の形であるζ関数を、素数のみを使った積の形に変換できる
 ことをオイラーによって示されたものが「積の公式」で、公式導出の過程も
 その本の中で解かりやすく解説されています。

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 しかし、この式からどうやって零点を求めることができるのか私には解か
 らないので、ζ関数をそれとは別の式でシミュレーションして零点に迫る
 ことができないか模索しているところです。


 

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