結局、なぞだらけの素数
いささか素数に食傷ぎみになってきました。 最後にX値を実数領域
まで拡張して考えてみます。 Xがeのn乗のとき、X以下の素数個数
比率はつぎのようにすっきりした分数形 1/(n-1) になります。
以上の関係からも、素数の発生確率が自然対数の底eと密接に関
わっているのは疑いようがありません。
ところで、ここまでは X≧(eの2乗) の範囲で計算しています。では
0<X<(eの2乗) の範囲ではどうなるでしょうか。
eの0.1乗からeの2乗まで0.1乗刻みでX値を変化させていき、素数個数
比率を計算しました。
計算結果は X=(eの2乗) のとき 1、Xがそれより小さくなるにしたが
って 徐々に大きくなっていき、X=e のとき +∞に発散し、Xがe より
小さくなった瞬間に-∞から出発して 最初は急速に、そしてしだいに
ゆっくりと上昇していき、 X=(eの0乗)つまりX=1 で-1を通過し、
X<1に入ってさらにゆっくりと上昇していきます。
X=e のとき素数個数比率が±∞に発散してしまうのは 数式からの
帰結と言ってしまえばそれまでですが、この一連の変化をどう解釈
すればいいでしょうか。そもそも素数個数比率が1を超えるとは、どう
いうことでしょうか。 なぞは深まるばかりです。
素数個数比率の曲線は双曲線関数(y=1/x)に類似している点が
見えるので、つぎにまとめてみました。ここに何らかの意味をつかむ
ヒントが隠れているかもしれません。