徒然散歩

経済や数学など自分の興味ある分野について書いています。

数の風景-68

 結局、なぞだらけの素数

 いささか素数に食傷ぎみになってきました。 最後にX値を実数領域
 まで拡張して考えてみます。 Xがeのn乗のとき、X以下の素数個数
 比率はつぎのようにすっきりした分数形 1/(n-1) になります。

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 以上の関係からも、素数の発生確率が自然対数の底eと密接に関
 わっているのは疑いようがありません。
 ところで、ここまでは X≧(eの2乗) の範囲で計算しています。では
 0<X<(eの2乗) の範囲ではどうなるでしょうか。
 eの0.1乗からeの2乗まで0.1乗刻みでX値を変化させていき、素数個数
 比率を計算しました。

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 計算結果は X=(eの2乗) のとき 1、Xがそれより小さくなるにしたが
 って 徐々に大きくなっていき、X=e のとき +∞に発散し、Xがe より
 小さくなった瞬間に-∞から出発して 最初は急速に、そしてしだいに
 ゆっくりと上昇していき、 X=(eの0乗)つまりX=1 で-1を通過し、
 X<1に入ってさらにゆっくりと上昇していきます。
 X=e のとき素数個数比率が±∞に発散してしまうのは 数式からの
 帰結と言ってしまえばそれまでですが、この一連の変化をどう解釈
 すればいいでしょうか。そもそも素数個数比率が1を超えるとは、どう
 いうことでしょうか。 なぞは深まるばかりです。

 素数個数比率の曲線は双曲線関数(y=1/x)に類似している点が
 見えるので、つぎにまとめてみました。ここに何らかの意味をつかむ
 ヒントが隠れているかもしれません。

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