ここまで、実数部指数uが定数の場合とuが1次変数の場合について微積分を考え
てみました。
uが定数の場合は微積分のたびに、微分では位相がπ/2 だけ進み、積分では
π/2 だけ遅れていくことが確認されました。
uが1次変数の場合は、微分では位相がπ/4 だけ進み、積分ではπ/4だけ
遅れていくとともに、振幅の変化も現れます。位相と振幅に与えられるこのような
効果は、つぎの図のようにまとめられます。実線で表される円に対して微分または
積分を行うごとに点線の矢印で表される効果が与えられます。
uが1次変数の場合は、微分のたびに位相がπ/4 進むとともに、振幅も増加して
いきます。そして無限回の微分では振幅は無限大になっていくようです。
逆に積分の場合は、積分のたびに位相がπ/4 遅れるとともに 振幅は減少し、
際限なく0に近づいていきます。 なんだか不思議な感じですが。
数の風景-42でオイラーの公式を用いた累乗、累乗根計算での動きを、またここで
微積分の計算での動きを見てきました。 まとめると、累乗、累乗根計算で無制限に
発生する虚数の問題や、微積分の計算でその連鎖が途切れる問題については回避
できる可能性を見出すことができました。
まだまだこの奥には想像を超える世界が広がっているでしょう。