徒然散歩

経済や数学など自分の興味ある分野について書いています。

数の風景-43


 オイラーの公式を用いた微積分の連鎖の検討(1)

 

 オイラーの公式を用いることにより、累乗根の計算で発生する虚数の問題は
 解決しましたが、微積分の連鎖が途切れる問題はどうでしょうか。
 ここではオイラーの公式を用いた複素数を2つの変数u,vで表すことにします。

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 この式の変数u,vについて微分積分を考えてみます。 まず実数部指数uが
 変数ではなく定数の場合について考えてみます。
 eの虚数部指数が+iv であるとき、三角関数表示は cos v+i sin v
 となるから、その微分の式は-sin v+i cos vとなります。
 ここで、-sin v = cos(v+π/2)、cos v = sin(v+π/2)なので

 微分後の式は cos(v+π/2)+i sin(v+π/2) となります。

 eの虚数部指数が-iv であるとき、その微分後の式は

 cos(v+π/2)-i sin(v+π/2)となります。

 このような計算の結果はつぎのようにまとめられます。

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 これをグラフ表示してみると、虚数部指数が+iv であるとき+方向 に、-iv で
 あるとき-方向に、微分のたびに実数部、虚数部ともにπ/2 だけシフトして
 いくことがわかります。

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 積分の場合は微分の逆だから、積分のたびに位相が 逆方向にπ/2 だけシフト
 していくことが容易にわかります。

 

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