オイラーの公式を用いることにより、累乗根の計算で発生する虚数の問題は
解決しましたが、微積分の連鎖が途切れる問題はどうでしょうか。
ここではオイラーの公式を用いた複素数を2つの変数u,vで表すことにします。
この式の変数u,vについて微分、積分を考えてみます。 まず実数部指数uが
変数ではなく定数の場合について考えてみます。
eの虚数部指数が+iv であるとき、三角関数表示は cos v+i sin v
となるから、その微分の式は-sin v+i cos vとなります。
ここで、-sin v = cos(v+π/2)、cos v = sin(v+π/2)なので
微分後の式は cos(v+π/2)+i sin(v+π/2) となります。
このような計算の結果はつぎのようにまとめられます。
これをグラフ表示してみると、虚数部指数が+iv であるとき+方向 に、-iv で
あるとき-方向に、微分のたびに実数部、虚数部ともにπ/2 だけシフトして
いくことがわかります。
積分の場合は微分の逆だから、積分のたびに位相が 逆方向にπ/2 だけシフト
していくことが容易にわかります。