徒然散歩

経済や数学など自分の興味ある分野について書いています。

数の風景-25

  0,1,∞(無限大) 再び

 

 数の風景-22で 0,1,∞について見てきましたが、そこで見逃してきた
 つぎのような関係について考えてみます。
  0×∞  0/∞  ∞/∞  

 まず 0×∞ について
 0は  0 = lim 1/n  (n:自然数)   ∞は ∞= lim 1/X
       n→∞                x→0
 X→0は X = lim 1/n と表されるから
       n→∞
 ∞は ∞=1/(lim 1/n)
       n→∞
 したがって、0×∞ は
  0×∞ = lim 1/n × 1/(lim 1/n)
      n→∞      n→∞
       = lim n/n
        n→∞ 
       = 1     ・・・ (1)

 0/∞ について
  0/∞ = lim 1/n /(1/(lim 1/n))
      n→∞      n→∞
       = lim 1/(n×n)
        n→∞   
       = 0      ・・・ (2)

 ∞/∞ について
  ∞/∞ = 1/(lim 1/n) /(1/(lim 1/n))
        n→∞       n→∞
       = lim n/n
       n→∞ 
      = 1      ・・・ (3)

 ここまではこれでいいのでしょうか。


 じつはここで矛盾した結果が現れます。0×∞ について再度計算してみます。
 (2)式から 0=0/∞でもあるので 0×∞ は (0/∞)×∞ とも表され
 ます。 したがって
 0×∞ = (0/∞)×∞ 
      = 0×∞/∞   (3)式より ∞/∞ = 1 だから
      = 0×1
      = 0  
 となり、これは(1)式と矛盾します。

 結局、0,1,∞は計算の結果を出すときに最後に一度だけどちらに収束する
 かを判定することができるもので、計算の途中で四則演算をすることは原則
 できないのではないでしょうか。 これは数学の世界では常識なのかもしれ
 ませんが。

 

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