徒然散歩

経済や数学など自分の興味ある分野について書いています。

マジ経91  経済予測

 このモデルでは経済の実態把握をすると同時に、次の単位期間の経済動向を予測することもできる。α,β,ηの各パラメータは時と共に変化していくので、このモデルを適用する場合は1年単位とか数年単位に区切って実績値を基に値を算出する。そのパラメータを用いて次の期間の経済動向を予測する。経済成長率の予測値は算出した各パラメータα,β,ηを用いて
   ((β-α)/η-1)×100 (%) と計算される。
  しかし計算は可能だが実際には成長率予測は不可能に近い。十分長い時間経過後とは具体的にはどれくらいの時間を指すのだろうか。1年単位とか数年単位に区切って計算するには少なくともその期間中に変動が収束することが必要だ。実はここが不明確で、さらにその期間中にも技術革新は進んでいく。このことによってパラメータαやβさらにηが計算の前提となっている初期値からずれてしまう。これらが経済予測が難しい第一の理由だと考えている。また予測には国内外の経済動向や経済政策動向、国内外の物価と外為相場の動き、異常気象による被害の発生などなど多くの変動する不確定要素が絡んでくるため、これらの要素を加味しない単純計算ではほとんど意味をなさなくなってしまう。自分でもSNA(内閣府の国民経済計算)データを基に各パラメータの算出とGDP予測値の計算、そして実績値との誤差のチェックをしてみたが、とくにバブル崩壊前後数年の誤差が大きく、また計算時の国債の扱い方によって予測値が大きく異なるなど全く使い物にならなかった。したがって、実績データを基に各パラメータを算出し、その値の変動から経済構造の変化を読むことくらいまでしか使えないようだ。

  <茶> ふと見れば清楚に白いお茶の花

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