貨幣にはこれまで考えてきたように経済活動で生み出される有価値を円滑に流通させ、それに関わる人々に所得をもたらす重要な機能がある。ところがこのような機能が存在するがゆえに貨幣で貨幣を増やそうとする動きが生まれてくる。貨幣の①「価格」機能と②「対価」機能を用いて③「資産」としての貨幣を増やそうとする動きだ。株や先物取引などは株価や物価変動を見越して安く買い高く売ることにより、買ったときの金額Aと売る時の金額(A+α)の差額αを手に入れる。また金利B%で借りた貨幣を金利(B+β)%で貸し付けることでβ%の貨幣を手に入れる。ここに実体の経済と遊離したマネー経済の世界への入口が開いている。
<野路菊> 野に路地に佇む野菊楚々として