徒然散歩

経済や数学など自分の興味ある分野について書いています。

マジ経-61  経済の主体は何か(1)

貨幣は有価値との交換に使用される。それは有価値を手に入れるときに手放され、有価値を手放すときに入手される。貨幣は有価値の流通を支え、その運用によって生産者と消費者間の取引が円滑に行われる。しかしそれはあくまでも流通の媒体であり、経済の主体…

マジ経-60  マネー経済は何で動く(2)

これは推測でしかないが、民主党時代には円高対応策に対して足元を見られていた。一方自民党時代になってからは足元が見えなくなって利益確定の動き(円が高いうちにドルを買い戻そうとする動き)へ転じたということだろう。このような動きの発端には特に理…

マジ経-59  マネー経済は何で動く(1)

過去の一時期民主党が政権をとっていたが、その時期の円の外為相場は円高傾向が強くなる一方で、80円/$を超えて70円台/$に突入した時期があった。時の財務相は通貨緩和に乗り出す声明を出したが外為市場の反応は鈍く、わずかな戻りはあったものの確…

マジ経-58  マネー経済の結果得られるもの

投資先を求めて世界を駆け回る貨幣は実体経済への投融資という大きな役割を果たしてもいるから実体経済とマネー経済の間に明確な境界線が引けるわけではない。有価値をW貨幣をGとしてマルクス流の表現をしてみると、投融資を受けて有価値を生産し、それを…

マジ経-57  マネー経済

有価値の流通を伴わず手持ちの貨幣を運用することによりそれを増やそうとする経済活動はマネー経済と呼ばれている。実体経済の規模をはるかに上回るマネーが利ざやを求めて世界の金融市場を駆け巡っている。 ケインズは経済発展への足がかりとして投資の必要…

マジ経-56  貨幣の持つ両刃の剣

貨幣にはこれまで考えてきたように経済活動で生み出される有価値を円滑に流通させ、それに関わる人々に所得をもたらす重要な機能がある。ところがこのような機能が存在するがゆえに貨幣で貨幣を増やそうとする動きが生まれてくる。貨幣の①「価格」機能と②「…

マジ経-55  貨幣の「資産」機能(2)

貨幣は「資産」として蓄積・保管しておくことが容易だ。社会で生み出される有価値は利用した瞬間に消えるか耐久財でも長い時間の経過と共に磨耗・劣化してその価値を失っていく。それに対して貨幣それ自体は劣化していくわけではない。しかし貨幣価値が下落…

マジ経-54  貨幣の「資産」機能(1)

貨幣は貨幣を含むあらゆる有価値貸借時の「資産」としての機能を持つ。今日の生活から明日の事業拡大まで、先立つものは貨幣だ。今貨幣が必要なのに手元になければ借用することになる。その貸借契約には金利が伴う。貸借契約により貸し手は手持ち資産(貨幣)…

マジ経-53  貨幣で購入できないもの(2)

貨幣では購入できない「人間の尊厳や、思想・行動の自由」は、憲法の中で基本的人権の保障として謳われている。またそこには「社会権」も含まれている。宮沢俊義著「憲法」から抜粋する。「日本国憲法にいう基本的人権も、・・・ 自由権・参政権および社会権の…

マジ経-52  貨幣で購入できないもの(1)

貨幣で購入できないものはもともと他人のものを自分のものにすることができないもの、たとえば出生・経歴・生命・個性・才能などだろうか。これらは知ることはできても自分のものにすることはできない。また銃・禁止薬物・特定危険物など購入を禁止または制…

マジ経-51  貨幣の「対価」機能(3)

貨幣による購入は価格をつけられるあらゆる「権利」についても可能である。「権利」は前に考えたた生物界における「縄張り」に通じるものだ。 富裕層は貨幣の持つ力で権利を購入し、自らの権利の下で取引を行うことができる。それは富裕層の下への貨幣流通の…

マジ経ー50  貨幣の「対価」機能(2)

あらゆる産業の事業拡大や公共事業のプロジェクトを実施するには必要な技術や物資を確保しなければならず、それをするにもまとまった量の貨幣が必要となる。この資金確保は民間企業では株や社債発行により、公共事業では税の引き当てや特別国債発行などによ…

マジ経-49  貨幣の「対価」機能(1)

貨幣はあらゆる有価値との交換時の「対価」としての機能を持つ。交換は貨幣による有価値の購入という形をとる。日々の生活に必要な食べ物や飲み物それに衣類や靴など身につけるもの、部屋代・電気・ガス・上下水道代など居住に関する費用、バス・電車・タク…

ジ経-48  「価格」全体の動きは?

以上の思考実験では全体を業界AとBの2つで考えたが、現実はこんな単純なものではない。ただこのモデルによって価格の変動にともなって利益配分が変わっていくことだけは見てとれる。現実には多くの業界があり、その中にも沢山の職業が存在する。それら各…

マジ経-47  貨幣の「価格」機能(4)

①貨幣の「価格」機能 <思考実験>-4 業界Bの値上げによる貨幣価値の変化によって業界A,Bの実質利益はどのように変化したとみるべきだろうか。それには(現在)の利益×貨幣価値変化率を計算して現在の利益を1年前の貨幣価値に換算すればよい。 [業界A…

ジ経-46  貨幣の「価格」機能(3)

①貨幣の「価格」機能 <思考実験>-3 業界AとBを合計して[全体]= [業界A]+ [業界B]として、その変化をみる。 [全体] (1年前) → (現在) 売上数 2千万個/月 1千900万個/月 売上高 160億円/月 170億円/月 全体の貨幣価値は …

マジ経-45  貨幣の「価格」機能(2)

①貨幣の「価格」機能 <思考実験>-2 業界AとBの製品価格、製造コスト、売上数、 利益それぞれについて1年前と現在の実績を見てみると、つぎのようになっている。 [業界A] [業界B] (1年前) → (現在) (1年前) → (現在) 製品価格 800円 …

マジ経-44  貨幣の「価格」機能(1)

43で挙げた貨幣の三つの機能について考える。まず「価格」機能から。 価格の高低は利益配分効果をもたらす。生産力の低下を価格転嫁した場合の利益配分の変化についてつぎのような思考実験を行ってみる。 ①貨幣の「価格」機能 <思考実験>-1 業界AとBの…

マジ経-43  貨幣の働きとは

これ以後、需要の対象である「物やサービス」を価値あるものという意味で「有価値」という造語で呼ぶことにする。貨幣はいくつかの大きな機能を持つ。いろいろな機能分類の仕方があるだろうがつぎの3つに分類できないだろうか。それは ①有価値の価値の高さ…

マジ経-42  潜在需要について

ただ生活に必要なものさえ節約せざるをえない貧困層も存在する。このような人々に何らかの方法で所得増が実現されたら、その所得増分は高い比率で消費に回されるだろう。このような効果を加えた需要を潜在需要ΣN’として把握しようとすれば、格差の係数であ…

マジ経-41  総所得と総需要の大きさは等しい?(2)

「需要Nに消費性向cを掛けたものが市場規模Mとなる」と考えた理由は、収入は本来、需要を満たすために得るものだという前提に立って、所得(=収入の総額)は需要を100%満たすだけの額になっているとしている。 また「実需は所得の範囲から発生する」…

マジ経-40  総所得と総需要の大きさは等しい?(1)

ここから貨幣の働きについて考えるつもりでいたが、自分の出した結論、「総所得と総需要の大きさは等しい」が誤っていないのか検証しておく必要を感じたので、急遽ここに割り込むことにした。 数式上は総所得をΣY、市場の大きさをΣMとすると、消費性向cは…

マジ経-39  需要の最大の担い手

消費の中で最も多くの割合を占めるのは個人消費だ。これは人々の生活の中から生まれる消費で、国内総生産(GDP)の約60%を占める。したがって、経済を活性化していくには個人需要を喚起するとともに消費拡大を図っていくことが必要になってくる。需要の…

マジ経-38  需要の大きさをどう測る(4)

消費性向cは税率をt、貯蓄率をsとすれば c=1-(t+s)の関係にあるから、総需要∑Nはつぎのように表される。 ∑N=∑M/(1-(t+s)) この式が表す重要な意味は分母の(1-(t+s))にある。つまり集計上は同じ市場規模であっても収入を…

マジ経-37  需要の大きさをどう測る(3)

市場規模Mはどのように表されるだろうか。ある製品が取引される市場規模Mは、一定期間中に市場での製品取引で流れた貨幣の総量で表される。その大きさは製品の価格Pと、一定期間中に売買された製品の量Iとの積となる。数式で表せば M=PI である。複…

マジ経-36  需要の大きさをどう測る(2)

ケインズの経済理論にたびたび登場してくる言葉に限界消費性向というものがある。これは「所得の増分を消費支出の増分に回す比率」と解釈される。これと少し異なるが「所得を消費支出に回す比率」として消費性向という言葉を使うことにする。 需要の大きさを…

マジ経-35  需要の大きさをどう測る(1)

需要の大きさを測るにはどうすればいいだろうか。需要が大きければ取引量が増加するが品薄気味になれば価格は上昇してくる。逆に需要に比べて十分な品数があれば取引価格は下落してくる。つまり高値で取引されるのは需要が大きいからであり、需要が小さくな…

マジ経-34  経済を牽引するものは何か

経済を牽引するものは生産力だろうか需要だろうか。経済の力は生産力であることは間違いなさそうだが、経済を動かす原動力は需要である。なぜなら需要は消費意欲の大きさだから。そして結局消費量が生産量を決定する。 近代経済学の巨人ケインズは経済の原動…

マジ経-33  市場経済の負の面(2)

ここから見えてくるものは何だろうか。市場取引は別として工場労働に関しては当時の人権意識の低さだ。人の持ち時間は、その人が自由に使う権利を持つ。その権利を尊重しない意識の低さがこの搾取の根源にある。現在もブラック企業といわれている要注意企業…

マジ経-32  市場経済の負の面(1)

しかし市場経済が良い面ばかり持っているわけではない。マルクスの著書「資本論」が生まれたのは19世紀産業革命さなかのロンドンにおいてだった。当時ロンドンは手工業から機械化による工場生産への移行が進みつつあり、そこに雇用される労働者の労働条件…

マジ経-31  市場競争は生産力を鍛える

個別レベルでの意欲を掻き立てる要素とは何だろうか。それは事業存続をかけた市場での競争だ。意欲を競争に打ち勝っていこうとする意志とすれば、資本主義経済においては意欲をなくした途端に衰退への道をたどりはじめる。民間企業は資産運用や知的財産権な…

マジ経-30  社会主義経済

マルクスを源流とする社会主義経済は20世紀末にほぼ壊滅してしまったかに見える。正確には計画経済から市場経済への移行がほぼ完了したというべきか。 この最大の理由は計画経済に基づくノルマ達成主義にあるのではないか。計画経済においては生産方式が計…

マジ経ー29  資本主義経済の活力

また資本主義社会では自由に起業することもできる。十分な意欲と能力を持った人たちが社会の新たな需要に素早く対応していくことで活力ある社会が維持されていく。ただ事業が成功するにはいくつものハードルを乗り越えていかなければならない。自分の持てる…

マジ経-28  市場

市場とは需要と供給とが出会う重要な場所だ。需要の高いものは高価格で引き取られる。需要があっても供給が十分に追いついているものはそこそこの価格で引き取られる。そこには当然マルクスのいう剰余価値も入っているだろう。しかしそこにこそ市場活動活性…

マジ経-27  市場に対するマルクスの見方

資本主義経済を否定しているマルクスは市場取引を否定していた。著書「資本論」の中にその理由をうかがえる一節がある。 「商品流通の直接的形態はW-G-W、商品の貨幣への転化および貨幣の商品への再転化、買うために売るである。それとは独特に区別され…

マジ経ー26  労働者は機械を使いこなす

たしかにこのような側面がないとは言えないが、人は機械と違い考える力を持っている。機械と一緒に働く職場なら人は習熟によって機械を意のままに使いこなすことができるようになる。分業で不具化されるというが、このようになりがちなのは何も資本主義社会…

マジ経-25  資本主義経済の中の労働者

資本主義経済社会における労働者についてマルクスはその著書「資本論」の中でつぎのように述べている。 「機械によって駆逐される労働者たちは作業場から労働市場へ投げ出され、そこですでに資本主義的搾取のために自由に利用できる状態にある労働力の数を増…

マジ経-24  豊かさを享受できない社会

これまで豊かさと生産力についてあれこれ考えてきたが、日本のように生産力の拡充した社会ではすでに豊かさは実現されており、問題はむしろ格差拡大に伴って発生する豊かさを享受できない貧困の拡大とその連鎖にある。これまで一般にはお金持ちがますますお…

マジ経-23  豊かさと生産力(5)

コストダウンへの努力は行き過ぎれば無報酬の時間外労働などの劣悪な労働環境を常習化していくきっかけにもなっている。また一度希望退職に応じて職から離れた人たちは別の新たな職に就くしかないがそう簡単に希望の就職先は見つからない。したがって、人材…

マジ経-22  豊かさと生産力(4)

豊かさが向上するに伴い、社会の産業構造にも変化が現れてくる。製造業の生産力がついていくことは一人当たりの生産量が増えていくことでもあるから、同じ生産量を維持していくのであればそこに従事する人数が減少していかざるをえない。製造業以外でも豊か…

マジ経-21  豊かさと生産力(3)

豊かさが向上することはそれに伴って人々の収入が大きくなっていくことでもあるから、工場労働者の人件費も上がってくる。またいろいろなサービス業の収入も上げていかなければならないから各種サービス料金も値上がりしてくる。これは前にも見てきたように…

マジ経ー20  豊かさと生産力(2)

豊かさのきっかけを掴めるかどうかはそこにある潜在需要を正しくつかみ、それに対応できる生産力を引き出すことができるかどうかにかかっているだろう。すなわちインフラや資源を把握した上で必要な技術を伴った投資を行い、現地雇用を進めながら生産・流通…

マジ経-19  豊かさと生産力(1)

豊かさが向上するとそれに伴って購買力が上がってくるから、生産される物やサービスがよく売れる、すると生産がさらに活発になる。生産設備投資も盛んになり、経済はより活性化してくる。この一連の動きは絵に描いたような経済の好循環だが、そもそも豊かさ…

マジ計ー18  生産力 現実は

現実にも年収で表される豊かさの向上はそれが経済力の向上を直接表しているかのように見られがちだが、それに見合う実体の生産力向上がなければ名目の向上でしかない。実体経済に変化がなくて年収が上がることは生産力は一定だがその媒体である貨幣量が増え…

マジ経-17  生産力評価

それは比較の基準を一人当たりの収入に見せかけながら、実際には一人当たりの「生産数×価格」を比較していたということ。組織で行う事業にはそれと気付かぬようにこっそりと生産数量の要素を入れ込み、個人事業では生産数のファクターを1として計算している…

マジ経-16  生産力 <思考実験> 結果

<思考実験>の結果は、組織で行う事業の場合は一人当たりの収入が大きいいほどその生産力は大きいといえるが、個人事業の場合は一人当たりの収入が小さいほどその生産力は大きいという相反する結果となる。 ここにはちょっと見落としがちなからくりがある。 …

マジ経-15  生産力 <思考実験>

生産力評価について思考実験してみる。組織で行う事業の場合 製造業を営んでいる企業の生産力は製品1個を生産するのにどれだけのコストがかかるかが鍵となる。もちろんより低コストで生産できるほど生産力は強い。製造業に関わる人々の収入は生産団体の得る…

マジ経-14  生産力をどう評価するか

生産力を評価するにあたってつぎのような捉え方ができるのではないか。あらゆる産業について組織で行う場合も個人事業の場合も「生産数/価格」である。組織で行う事業も個人事業もどちらも同じように見えるが、ここには正反対ともいえる効果が現れることに…

マジ経-13  人的資源

豊かさの指標として取り扱うのに注意を要するのが人的資源であり、年齢別に労働力人口を調査したとしてもそれがすぐに豊かさの指標とはならない。識字率や教育の有無、教育の内容と水準などを把握した上での労働力人口ならば人的資源として評価できるかもし…

マジ経-12  豊かさの源泉

豊かな国といえば国内に豊かな資源を持っている国、たとえばOPECに加盟している国などが思い浮かぶ。このグループの諸国は国内で産出する資源を輸出して富を得ている。日本はこのグループの輸出相手国だが、日本では資源を輸入してこれらをもとに人々の…