徒然散歩

経済や数学など自分の興味ある分野について書いています。

経済

マジ経96  三たび経済活動とは

経済活動には動植物の生存活動も含まれる。その活動は自然界のエネルギー代謝に乗って、養分または食料の取り込みと取り込んだ養分による成長と繁殖活動を行っている。人間社会の経済活動は非常に複雑だが突き詰めれば社会を構成する各個人が快適に生きてい…

マジ経95  経済活動の基盤-2

将来にわたって豊かな社会を維持していくには、自然が自ら行っているエネルギー循環と汚染の浄化作用を人の経済活動によって阻害しないことだ。活発に経済活動を行うのはよいが、それによって自然への負荷を大きくしていくのは自殺行為だ。 核廃棄物、廃棄薬…

マジ経94  経済活動の基盤-1

人は他の多くの動植物と共に、自然によって与えられる土地や水や空気や日光に育まれて生きている。人が生きていくには衣食住が必要だ。その資源は自然によって与えられている。当たり前のことだが、人はその資源から生活に必要な有価値を生み出している。つ…

マジ経93  人口減少社会での経済維持

これまでの考察から経済が発展するには経済社会の総生産高MTすなわちGDPが大きくならなければいけない、MTを大きくしていくにはエネルギー変換効率βを大きくしていかなければいけない、との結論に到った。ではβを大きくしていくにはどうすればいいだろ…

マジ経92  格差是正の必要性

豊かな社会になるほど投資効果は小さくなってくるため、投資増によって雇用増を実現するのは難しくなってくるとケインズは指摘している。著書「雇用・利子および貨幣の一般理論」の中につぎのような記述がある。「完全雇用の状態に近づくにつれて限界消費性…

マジ経91  経済予測

このモデルでは経済の実態把握をすると同時に、次の単位期間の経済動向を予測することもできる。α,β,ηの各パラメータは時と共に変化していくので、このモデルを適用する場合は1年単位とか数年単位に区切って実績値を基に値を算出する。そのパラメータを用…

マジ経90  経済発展の必要条件

経済発展の条件 MT/MT0=(β-α)/η>1 を変形すると β>(α+η)となるから、経済が発展するには経済社会の総生産高を生み出すエネルギー変換効率βが、取込エネルギー係数αと組織維持エネルギー係数ηの合計値より大きくないといけない、ということにな…

マジ経89  経済を動かす因子-3

各係数α,β,ηの持つ意味から必然的に、αとηは小さいほど、βは大きいほどその経済社会の活力は大きいといえる。途中の計算は省略するが①~④式から経済社会の規模Θは Θ= Mθ/η +Aexp(-ηt)となる。十分長い時間経過後には Θ= Mθ/η ・・・ ⑤となる。A…

マジ経88  経済を動かす因子-2

ここで三つのパラメータα;取込エネルギー係数、β;エネルギー変換効率、η;組織維持エネルギー係数のそれぞれが表す意味について確認する。 生物については、αは食物を確保するのに必要なエネルギーと体の大きさΘとの関係を示す係数βは取り込んだ食物を消化…

マジ経87  経済を動かす因子-1

しばらく数式が出てくるが、全体の流れを見るために必要なので詳しい説明は省いて列挙する。MSを経済社会が生産活動に必要な材料や動力を確保するのに用いられる貨幣量、Gを利潤(生産によって得た所得のうち自由に消費できる貨幣量)、MTを総生産高(=…

マジ経86  経済規模 外形とフロー

ここから前回図示した生命体モデルに数式を適用して解析し、経済発展への道を探っていく。下に解析用の経済モデルを掲示する。 経済を見るには2つの側面がある。第一は経済社会にストックされている資産の大きさ、第二は経済社会で一定期間に生産・消費され…

マジ経85  経済モデル-2

ここでは自分の考える根源的な経済活動であるエネルギー循環モデル(生命体モデル)を紹介する。生命体モデルの活動システムは下図のように表される。あらゆる生命体は自己を取り巻く環境から食料を取り込み、それを分解して自己の成長に必要な素材に変換し…

マジ経84  経済モデル-1

ここで経済モデルについてレビューしていく。下図は古典派、ケインズ学派およびマルクス経済学に基礎をおくレギュラシオン理論でもイメージされている模式図だ。 これを整理(企業部門を統合)して単純化すれば下図のようになる。経済社会における貨幣の流れ…

マジ経83  バブル

1985年9月のプラザ合意を契機に日本経済はそれまでの輸出主導から内需拡大へ大きく路線を変更した。円・ドルレートは85年初の250円台/$から87年初の150円台/$まで劇的に値上りした。国内の金融政策は大幅な金融緩和へと舵を切られ、公定…

マジ経82  現在の物価状況は

現在われわれを囲む物価変動はどのような状況になっているのだろうか。生産活動は海外製品との価格競争に打ち勝つ必要からと国内でのシェア拡大をめざしてたゆまぬコスト低減活動が進められている。一方、生産活動に必要な原材料や動力の原料は大半を輸入に…

マジ経81  需要主導の物価変動

市場において需要増により取引価格が上昇した場合、需要増に応じて供給力の増強が図られる。そしてこれ以上の価格上昇が見込めなくなった所で供給力は安定する。逆に市場において需要減により取引価格が下落した場合、需要減に応じて供給力の削減が図られる…

マジ経-80  コスト要因主導の物価変動

有価値の生産に必要な原材料や動力あるいは人件費などの1つまたはいくつかが値上りすると、コストが上る。生産者はコストの上昇分を回収するのに売値を上げざるをえなくなる。これは供給力が低下したといえる状況だ。売値が上れば需要が減少する。 逆に生産…

マジ経79  供給力と物価変動のイメージ

物価の動きは供給力が十分でない分野ではディマンドプル型のインフレ基調、供給力を十分に持つ分野ではコストダウン型のデフレ基調となる。社会全体でもこの供給力と物価変動の関係は基本的には変わらないとみる。 ここまで考えてきた供給力と物価変動の関係…

マジ経-78  供給力と物価変動-2

整理すると供給力の違いにより景気変動に伴う物価のトレンドに違いが現れる。( )内に物価トレンドを示す。 供給力が小さい分野 ・・・ 物価上昇基調 好況 → 景気後退 → 不況 → 景気回復 (上昇ぎみで維持) (維持) (維持or下落ぎみで維持) (上昇) 供給…

マジ経-77  供給力と物価変動-1

供給力が十分でない分野の需給は景気後退時は需要が冷え込み、もともと不足がちな供給に近づく。したがって物価は上昇から沈静化へ、そして下落へと向かう。景気回復時には供給はゆっくりと回復するが、往々にしてそれを超える需要増により、ディマンドプル…

マジ経76  デフレ・・・コストダウン型

一方、コストダウン型のデフレは製造会社などが企業努力によって製造コストの低減を実現し、販売単価を下げても利益を確保できるようにしていこうとする動きによって現れる。そして価格競争に打ち勝つことにより販売量を伸ばしていこうとする戦略だ。 この動…

マジ経75  デフレ・・・ディマンドプル型

デフレの動きは何でも不景気の元凶のように見られがちだが、それはディマンドプル型のデフレに対する見方だ。これは懐が寒いためかあるいは多少の貯蓄はあっても将来への不安からか出費をできるだけ抑えようとする消費者の動きによって引き起こされる。消費…

マジ経-74  インフレ効果を打ち消すデフレ効果

ところがアベノミクスによる円安効果で輸入価格が上昇しコストアップ型のインフレになるはずなのに、原油価格については輸入価格は2014年後半頃から上るどころか下る一方になった。円安で原油輸入価格が上昇しないのは、外為相場とは全く別の変動要因が円安…

マジ経-73  インフレ・・・コストアップ型

コストアップ型のインフレは製造原価の上昇が最低販売価格を押し上げる状況下で発生するので、一番卑近な例が輸入原油価格だ。これが値上りすればすぐに車の燃料代が上がる。原油価格は生産されるいろいろな製品のコストに含まれるのでそれらの製品の最低販…

マジ経-72  インフレ・・・ディマンドプル型

1970年代初め田中内閣のときにトイレットペーパー騒ぎが起こった。突然スーパーマーケットからトイレットペーパーが消えたのだ。家計を預かる主婦達は品薄になったトイレットペーパーを求めて店先に並ぶ騒ぎとなった。あとでこれは買占め売り惜しみによるも…

マジ経-71  景気変動で物価はどう変わるか

物価の急変には2種あり、上昇をインフレ(inflation)、下落をデフレ(deflation)と呼ばれている。これらは景気変動のさまざまな局面に現れる。インフレとデフレのそれぞれの要因について自分はつぎのように考えている。 インフレ要因は2つ、ディマンドプルと…

マジ経-70  供給力は物価の変動にどのような影響を及ぼすか

供給力を十分に持つ分野では供給が需要に容易に追いつくので市場価格は供給者同士の最低販売価格競争になりやすい。これは買い手にとって都合のよいいわゆる買手市場だ。 これに対して供給力が十分でないか寡占状態にある分野では有価値の供給量に制限がある…

マジ経-69  物価を決定するものは何か

物価は市場において需要と供給の関係から決定される。売り手側からすれば今後も事業を続けていけるだけの利益を確保できる売値は最低確保したい。買い手側は同じ品質ならば安いにこしたことはない。 ここには二つの要素がある。第一は売り手側要素だ。売り手…

マジ経-68  生産力と供給力

生産力が需要に応じて有価値を生産していく力なら供給力は需要に応じて有価値を供給していく力だ。生産力と供給力は同じではない。生産力が強ければ供給力は強くなるが、生産力が乏しくても資金力があり流通システムが整備されていれば供給力は強くできる。…

マジ経-67  他業種との生産力比較は

前回考えた生産力の評価法には金額表示がなくなっていたので、他業種との生産力比較はできない。一方、金額抜きだと貨幣とは無縁な生物界全般にも適用できる。生産力とは本来そういうものかもしれない。しかしあえて横並びに比較しようとすれば数量を金額に…