数の風景-79
各虚数間の計算方法
ここまで見てきた中で、1の累乗根連続4回で8種類の数が現れ、その
うち7種類が虚数です。それぞれに+と-があるので、合計16種類に
別れ、そのうち14種類が虚数です。
ここで、これら16種類の数の間での計算方法を整理します。
まず四則演算をしてみます。加減算は文字の加減算と同じように、同じ
虚数どうしで加減算をします。
[計算例1] 加減算
1+i+2j+k-3j+5jk+ik-2ij+4i-2+ijk
-3ik-2jk
=-1+5i-j-2ij+k-2ik+3jk+ijk
乗除算も基本的には文字式の計算と同じです。先に乗算どうしを計算
し、つぎに除算を計算するほうが簡単な気がします。
[計算例2] 乗除算
i×2j×k÷3j×5jk×ik÷2ij×4i×ijk÷3ik÷2jk
=2ijk×5ijkk×4iijk÷3j÷2ij÷3ik÷2jk
=(2×5×4)/(9×4)×(ijk×ijkk×iijk)/
(ijj×ijkk)
=(10/9)iikk
=-(10/9)j
つぎに 加減算と乗除算とを混合した式を計算してみます。計算順序
は文字式の計算と同じく先に乗除算を行い、そのあと加減算を行い
ます。
[計算例3] 加減算,乗除算混合
i×2j+k÷3j×5jk+ik÷2ij×4i-ijk×3ik÷2jk
=2ij+5i÷3j-4k÷2ij+3i÷2jk
=2ij+(5/3)j+2jk+(3/2)k
(注)-4k÷2ij の計算は -4k=4iik=4ijjk として
2ijで割る
3i÷2jk の計算は 3i=3jkk として2jkで割る
組み合わせ虚数記号の付いた数の平方根をとる場合は、それぞれの
記号について虚数記号を付けることになります。
たとえば -4ij という虚数があったとき、その平方根は 4が2と-2、
-がi、iがj、jがk になるので、2ijk と-2ijk になります。
[計算例4] 平方根 -4ij の平方根は ±2ijk