自然対数の底 e について
前(数の風景-18)に指数関数、対数関数というものに触れましたが、そこで
唐突に e というものが出てきました。
この eのx乗 という関数は微分しても積分してもその形は変わらないという
特別な性質がありますが、この性質からつぎのような「eの構造式」が導かれ
ます。
いくつかのnの値についてeを計算してみます。
n=1,000,000 で小数点以下5桁まで真値に一致しました。ずいぶんゆっくり
と近づいていくものですね。
0,1,∞(無限大) 再び
数の風景-22で 0,1,∞について見てきましたが、そこで見逃してきた
つぎのような関係について考えてみます。
0×∞ 0/∞ ∞/∞
まず 0×∞ について
0は 0 = lim 1/n (n:自然数) ∞は ∞= lim 1/X
n→∞ x→0
X→0は X = lim 1/n と表されるから
n→∞
∞は ∞=1/(lim 1/n)
n→∞
したがって、0×∞ は
0×∞ = lim 1/n × 1/(lim 1/n)
n→∞ n→∞
= lim n/n
n→∞
= 1 ・・・ (1)
0/∞ について
0/∞ = lim 1/n /(1/(lim 1/n))
n→∞ n→∞
= lim 1/(n×n)
n→∞
= 0 ・・・ (2)
∞/∞ について
∞/∞ = 1/(lim 1/n) /(1/(lim 1/n))
n→∞ n→∞
= lim n/n
n→∞
= 1 ・・・ (3)
ここまではこれでいいのでしょうか。
じつはここで矛盾した結果が現れます。0×∞ について再度計算してみます。
(2)式から 0=0/∞でもあるので 0×∞ は (0/∞)×∞ とも表され
ます。 したがって
0×∞ = (0/∞)×∞
= 0×∞/∞ (3)式より ∞/∞ = 1 だから
= 0×1
= 0
となり、これは(1)式と矛盾します。
結局、0,1,∞は計算の結果を出すときに最後に一度だけどちらに収束する
かを判定することができるもので、計算の途中で四則演算をすることは原則
できないのではないでしょうか。 これは数学の世界では常識なのかもしれ
ませんが。
微分はXの微小な変化にともなって関数Yの値がどのように変化していくかを
見るものですから、X-Y平面上でXの各点における関数Yの傾きの値を関数化
する作業になり、積分はその逆つまりX-Y平面上でX=0からXまでの関数Yの
累積値を関数化する作業になります。
ここに Y=X という関数があるとします。 これはXが1増加すればYも1増加
するという関係を表しています。
この関数についてXによる微分を行えば Y=1 という関数になります。
この式には変数Xがなくなっています。ということはこれ以上この関数をXで微分
することはできないことになります。しかしこれでおしまいと言われても私はなん
だか釈然としません。
(X+1)の累乗
Xの一次式(X+1)を複数回掛けたらどういう式になるのでしょうか。数の少ない
方から少しずつ計算していきます。
各項の係数値はちょうど真ん中辺りが最も大きいことがわかります。(X+1)の
n乗のときの係数値はつぎのように知られていますね。
nCkは前回も触れましたが、異なるn個の中からk個を取り出して1セットの組み
合わせを作るとき、異なる組み合わせは最大何セット作れるかという計算を表す
表記で、「異なるn個からk個を取り出す組み合わせ数」ということになります。
実はこの辺りから先は私のよく知らない世界なので勝手に迷い込んでいきます。
私自身理解不足の部分も沢山あるので、クイズも回答も出せません。逆にもし
間違ったところがあれば教えて頂きたいです。
それでも自分の迷い込んでいる怪しげな小道もノートに収まっているだけでは
窮屈だろうということで、ブログに開放してみようと思います。