徒然散歩

経済や数学など自分の興味ある分野について書いています。

数の風景-14

 黄金比 その(3)

 黄金比は自然界にもいろいろなところに隠されているとか。そこで自分も
 まわりの自然を探してみていくつかそれらしいものを見つけました。その
 1例として海辺に生えている植物(下の写真)の成長のパターンを数値化
 して調査してみました。

 

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 茎の先端から葉っぱが出ている箇所(ここを第1節)までの長さを測り、つぎに
 第1節からつぎの第2節までの長さ、さらに第2節から・・・とつぎつぎに測定
 していきます。10本の測定結果から平均値を出して、そこから「節間隔比」と
 「成長指数」を求めてみました。
 「節間隔比」は第1節と第2節の間隔を先端から第1節までの間隔で割り、節
 間隔比1とします。この要領で節間隔比2、3、4、・・・と計算していきます。
 「成長指数」は、節間隔比1を節間隔比2で割って成長指数1とします。この
 要領で成長指数2、3、4、・・・と計算していきます。

 

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 その値をグラフ化してみました。ちょっとこじつけ感はありますが、少なくとも
 この測定結果においては、先端に近いほど成長指数が黄金比に近い値に
 なっていることが確認されました。いろいろな植物についてこのようなデータ
 を調べて比較してみるのも面白いかもしれません。

 

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数の風景-13

 

 黄金比 その(2)

  多重根号の式からつぎのような方程式が導かれます。

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  また黄金比とその対の値の関係はつぎのように美しい関係が見られます。

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 前回の答え

  答えの1例です。
  
   黄金比=1+1/黄金比

  これは連分数を方程式に置き換えることで導かれます。

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数の風景-12

 黄金比  その(1)  1.61803・・・

 

 このブログでもずっと前にフィボナッチ数の隣り合う数の比がこの黄金比
 になることに触れました。またつぎのような連分数や多重根号からも黄金比
 が得られることが関連の本で紹介されています。 

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  これを見ているとこの黄金比という美しい名前も納得できます。

 

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 ここで問題です

 つぎの条件で、黄金比と1,2,・・・などの自然数を使って黄金比の等式を作って
 ください。

   黄金比

 条件:計算式には + - × ÷(または/) = まで使っていいことにします。
 ヒント:上の連分数や多重根号をじっと見て回答を考えてください。

   答えは次回ブログで

 

数の風景-11

 複素数

 実数と虚数の和の形は複素数と呼ばれていますね。複素数の計算法
 実数と虚数は直接乗除算できますが加減算は実数は実数どうし、虚数
 虚数どうしで行います。
 2つの複素数 a+i b と c+i d の加減乗除をやってみます。
  (a+i b)+(c+i d) = (a+c)+i( b+d)
  (a+i b)-(c+i d) = (a-c)+i( b-d)
  (a+i b)×(c+i d) = (ac- bd)+i( bc+ad)
  (a+i b)÷(c+i d) = (a/c+b/d)+i( b/c-a/d)
 ここでc=a、d=-bとすると c+i d=a-i b となりますが、

 a-i b は a+i bの共役複素数といわれていますね。共役複素数の加減

 乗除はどうなるか見てみます。
 (a+i b)+(a-i b) = 2a
 (a+i b)-(a-i b) = i 2b
 (a+i b)×(a-i b) = (aa+ bb)
 (a+i b)÷(a-i b) = i b/a-a/i b=i(aa+ bb)/(ab)

 それがどうしたと言われればそれまでですが、共役どうしの計算では加算と乗算の
 結果は実数のみ、減算と除算の結果は虚数のみとなることがわかります。

 

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数の風景-10

 虚数
 
 ここまでの数はすべて実数のグループに入りますが、ここでさらに虚数という
 ものが出現します。これは2乗したら-になる数です。その数の素ともいうべき
 ものは通常 i で表されます。 この i は  i × i = -1 
 という性質を持っているとされており、通常 実数の前か後ろにくっつけて表示

 します。するとその数は、2乗したら負の実数になります。
 この虚数の世界は実数にこの i をくっつけることにより、実数と同じ規模の
 虚数の世界を作り出すことができます。

 だがここで私ははたと考え込んでしまいました。2乗したら-になる数の世界が
 あるのなら2乗したら i になる数の世界もあるのではないか。 もしそれを
 j としたら、 j × j = i となります。するとまた2乗したら j 

 になる数の世界もあるのではないかということになり、際限なく数の世界が広が

 っているような気がしてきます。このような無間地獄から逃れる道はあるので

 しょうか。

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 前回の答え

  答えは 「できる」 です。 1例だけ挙げておきます。
  
  2の1/2乗 × 2の1/3乗 × 2の1/6乗 = 2
  1.41421・・・×1.25992・・・×1.12246・・・=2

  これは指数の計算で簡単に説明できます。
  掛け算は指数どうしの足し算になるので
  1/2+1/3+1/6=1 となり、答えは
  2の1乗で2となります。

 

数の風景-9

無理数 

 これまでの数全体を有理数といわれていますが、ここで無理数というものも
 出現します。これはたとえば指数の値が分数で表されるような数字に混じって
 います。
 例として1から10までの1/2乗の値について見てみましょう。これは平方根
 と呼ばれていますね。

  1 の1/2乗   1
  2 の1/2乗   1.41421・・・
  3 の1/2乗   1.73205・・・
  4 の1/2乗   2
  5 の1/2乗   2.23606・・・ 
  6 の1/2乗   2.44949・・・ 
  7 の1/2乗   2.64575・・・
  8 の1/2乗   2.82843・・・
  9 の1/2乗   3
  10 の1/2乗   3.16228・・・

 この例では無理数が7個現れました。無理数の場合は小数点以下の数の並び
 に規則性が見られません。そしてそのような数の並びは無限に続くようです。
 なんだか気が遠くなるような話です。

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 ここで問題です

  いくつかの異なる無理数を使って有理数をつくることはできるでしょうか。


   答えは次回ブログで

 

数の風景-8

-(マイナス)の数

 つぎに-(マイナス)記号について考えてみます。

 整数の前に-をつけると負の整数になります。これは目ではなかなか見え
 ませんがどこかを基準値0にしてそれからの差をみるときに現れます。
 長さや重さなど測定できるものはなんでも、同じものを合計してそれを足し
 合わせた個数で割れば平均値を出すことができます。たとえば100個の
 リンゴの平均重量が230グラムだったとします。ちょっと大ぶりのものが250
 グラムあったとしたら平均値+20グラムとなり、小ぶりのものが200グラム
 だったとしたら平均値-30グラムとなりますね。統計学はこの計算からどん
 どん発展していったといっても過言ではないでしょう。

 +の指数を持つ数が分数の分子にあるとき、この指数の前に-をつけると、
 +の指数を持つ数が分母に移るのと同じ効果になります。つまり、分子に
 ある+の指数を持つ数は掛け算をする場合に相手の数に直接掛けることが
 できますが、-の指数を持つ数は相手の数が分数でない場合は-が消えて
 相手の分母になる、相手が分数の場合は-が消えて相手の分母に掛ける
 ことになります。
 まとめれば、-の記号を付け加えることにより+の数世界にそれと匹敵する
 規模の-の数世界が加わり、数の世界が拡張します。そして-の計算ルール
 さえ守っていれば、それ以外は-の数世界も+の数世界と全く同じように
 扱うことができます。 数の世界はどんどん広がっていきます。

 

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前回の答え

  答えは 両方とも「できる」 です。 1例ずつ挙げておきます。
  
  素数でない数で素数をつくる
    12 ÷ 4 = 3 
  素数だけで別の素数をつくる
     7 - 5 = 2