経済発展の条件 MT/MT0=(β-α)/η>1 を変形すると β>(α+η)となるから、経済が発展するには経済社会の総生産高を生み出すエネルギー変換効率βが、取込エネルギー係数αと組織維持エネルギー係数ηの合計値より大きくないといけない、ということになる。
いくつかの前提と途中の計算は省略するが、α,β,ηを貨幣流量で表せば、Gを利潤として
α=MS/(Mθ+MS)
β=(Mθ+MS+G)/(Mθ+MS)
η=Mθ/(Mθ+MS)
と表すことができる。 (注;式の導出過程は下記(参考)欄に記載)
経済発展の条件は (β-α)/η>1 だから、社会インフラや福祉の予算を維持しながら経済発展していくには、(Mθ+G)/Mθ>1より G>0 となる。 当然の帰結だが、一定の税収を確保つつも社会全体としては生産の効率を上げることで利潤Gを確保していく必要があるということになる。
<皇帝ダリア> 仰ぎ見る皇帝ダリア風に揺れ
(参考)
ここで、つぎのような等式が成り立つものと考える。
MT = C + G ……………… ⑧
C = MS + Mθ …………… ⑨
MT 総貨幣量(総生産高) C コスト(税含む) G 利潤
MS 材料費,動力費 Mθ 生産関連費用(MS除く),税
総生産高MTは⑧式と⑨式より
MT = MS+Mθ+G …………… ⑩
と表される。
生産効率β’は MT/C で表されるから、⑧式、⑨式、⑩式よりつぎのようになる。
β’=(C+G)/C = (MS+Mθ+G)/(MS+Mθ) ……… ⑪
この値が大きければ大きいほど、生産効率が高いといえる。 このβ’は、前述したエネルギー変換効率βとは異なるが類似のものである。
エネルギー変換効率βをβ’と同様にコストと利潤で表せば②式、③式、⑩式より、つぎのようになる。
β =αMT/MS=α(C+G)/MS = α(MS+Mθ+G)/MS ……… ⑫
ここでβ’の場合にはコストCとして扱われている部分に相当するものが、βではMS/αとなっている。 したがって
α=MS/(MS+Mθ) ……… ⑬
であるとき
β’=β = (MS+Mθ+G)/(MS+Mθ) ……… ⑭
となる。すなわち取込エネルギー係数αを⑬式で表される関係にあるとしたとき、生産効率β’はエネルギー変換効率βに等しくなる。
このような理由からαを⑬式の関係で表す。また組織維持エネルギー係数ηは③式、⑤式、⑭式よりつぎのようになる。
η=Mθ/(MS+Mθ) ……… ⑮
ちなみにマジ経65.で言及した「生産性」はつぎのように表される。
生産性=β /α=MT/MS=(MS+Mθ+G)/MS ……… ⑯