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徒然散歩

経済や数学など自分の興味ある分野について書いています。

マジ経96  三たび経済活動とは

 経済活動には動植物の生存活動も含まれる。その活動は自然界のエネルギー代謝に乗って、養分または食料の取り込みと取り込んだ養分による成長と繁殖活動を行っている。人間社会の経済活動は非常に複雑だが突き詰めれば社会を構成する各個人が快適に生きていくのに必要な有価値(物やサービス)の生産と消費に尽きる。人間社会の経済活動と他の生物界の活動との間に本質的な違いは見当たらない。
  しかし見落とされがちなのが人間社会の経済活動も地上の全生物の活動と異なることなく、その根本を支えているものは自然界のエネルギー代謝であるという事実だ。この認識が薄かったために過去において大きな公害問題を引き起こしたし、今も温暖化問題や核廃棄物問題などを抱え続けている。今後の最も大きな課題はこの経済活動が自然の摂理に沿って回転していくよう道を誤らずに運営され続けていくことではないだろうか。

  <菊> まん丸におさまりてキク除夜の鐘

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マジ経95  経済活動の基盤-2

 将来にわたって豊かな社会を維持していくには、自然が自ら行っているエネルギー循環と汚染の浄化作用を人の経済活動によって阻害しないことだ。活発に経済活動を行うのはよいが、それによって自然への負荷を大きくしていくのは自殺行為だ。
 核廃棄物、廃棄薬物毒物、産業廃棄物などから有害物質を再処理して使用または無害化して廃棄する。環境への負荷となる有害な化学合成物の廃棄量を減らす。自然に分解されにくい合成素材は再利用に回す。包装資材として自然に分解されやすい樹脂や自然素材を多く用いる。二酸化炭素、メタンガスなど温暖化ガスの排出量を削減する。このような現在も取り組まれている活動を更に進める必要がある。これを怠れば快適な生活を目指して活動してきたつもりが環境汚染の拡大や異常気象の頻発とそれに伴なう被害の拡大となって地球環境から手痛いしっぺ返しを受けるだろう。
 最も期待されるエネルギー資源は水素燃焼エネルギーではないだろうか。原子力エネルギーがすべての生物にとって地獄をもたらす放射性廃棄物を生み出すのに対し、水素燃焼は生物の命の源でもある水をもたらす。現在は燃料電池として数種類の方式が実用化されており、今後ますます普及していくだろう。ただ、素人が勝手なことを言わしてもらえば単純に水素を燃焼させて熱エネルギーを利用することはできないのだろうか。水素を手軽に扱える燃料として利用できるようにするには実用化レベルへのいろいろな技術開発やコストパフォーマンスの実現が必要で、簡単ではないだろうがそこには夢がある。

  <マンリョウ> 早々と今年も期間満了に

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マジ経94  経済活動の基盤-1

 人は他の多くの動植物と共に、自然によって与えられる土地や水や空気や日光に育まれて生きている。人が生きていくには衣食住が必要だ。その資源は自然によって与えられている。当たり前のことだが、人はその資源から生活に必要な有価値を生み出している。つまり自然の豊かさが人々の豊かな生活の基盤になっている。このような理由からマジ経-85で提示した自分の考える経済モデル(生命体モデル)には基盤としての資源・エネルギーを描いている。
 生産力は自然により与えられたものから有価値を生み出す力だ。我々の経済活動の基盤は地球の自然にあるということを強調してもし過ぎることはないだろう。将来にわたって永続的に豊かな社会を維持していくには、その基盤となる資源や素晴らしい四季の変化を提供してくれる自然の豊かさを壊さないようにしなければならない。

  <山茶花> 去る年にサザンカもまた年をとり

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マジ経93  人口減少社会での経済維持

 これまでの考察から経済が発展するには経済社会の総生産高MTすなわちGDPが大きくならなければいけない、MTを大きくしていくにはエネルギー変換効率βを大きくしていかなければいけない、との結論に到った。ではβを大きくしていくにはどうすればいいだろうか。βを大きくしていくことは社会を構成する人々の一人当たり生産高を大きくしていくことだから、生産効率を向上させていくしかない。
 経済活動が人間社会の活動であるかぎり、経済規模が人口に依存しているのは動かしようのない事実だ。生産面では高齢化社会・人口減少社会においては急速な労働人口減少への対応として生産効率を向上させていく必要がある。これには人口知能やロボット技術の応用などで人の労働をサポートするシステムが必須条件になってくる。また生産や維持管理に必要なエネルギー消費をできるだけ削減していくことも必要だ。したがって管理すべき必要資産を絞り込み維持管理の負担を軽減していきつつ、格差是正を進め一人当たりの生産活動の質を向上させることで生産効率を向上させていくことが必要だ。一方、消費面では人口減少に沿って消費量が減少していくのは必然的だから、格差是正を進め一人当たりの消費の拡大を図っていかなければならないだろう。

  <センリョウ> 赤い実の値センリョウ輝いて

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マジ経92  格差是正の必要性

 豊かな社会になるほど投資効果は小さくなってくるため、投資増によって雇用増を実現するのは難しくなってくるとケインズは指摘している。著書「雇用・利子および貨幣の一般理論」の中につぎのような記述がある。「完全雇用の状態に近づくにつれて限界消費性向は着実に低下していくというわれわれの想定が正しいならば、さらに投資を増加することによってさらに一定の雇用増加を確保することは、次第に困難となるであろう」
 ここに書かれていることを自分流に解釈すればつぎのようになる。豊かな社会になるにつれて投資増分をより多くの総需要増分に結びつけていくのが難かしくなり、最後には総需要増分は投資増分に限りなく近づいていく、すなわち投資効果はなくなっていく。投資は生産増対応分は減少し、生産設備更新や維持管理に必要な分により多く割かれるようになり、投資に伴う雇用増は期待できなくなる。
 この結果、豊かな社会になっても非自発的失業は無くならず、社会から貧困をなくしていくことがますます困難になってくる。貧富の格差が大きくなるとその格差は次の世代へと継承される。とくに貧困は何の是正処置もなされないなら次の世代へと継承され(貧困の連鎖)、大きな社会問題として残される。
 豊かな社会は生産力や供給力が拡充している一方、貧困層には潜在的需要はあるがそれを実現する貨幣の手持ちがない。しからば社会の富をできるだけ多くの人が享受できるよう貨幣を還流させる仕組みを構築し、それに向けて経済構造を少しずつ変化させていく必要がある。格差是正の努力が実り、貧困層の所得が増えれば実需増の効果となって現れやすいだろう。これがまた富裕層が投資している産業の売上増となって還流し、全体として経済が活性化してくることが期待できる。

  <ヒイラギ> ヒイラギのトゲに優しく匂う花

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マジ経91  経済予測

 このモデルでは経済の実態把握をすると同時に、次の単位期間の経済動向を予測することもできる。α,β,ηの各パラメータは時と共に変化していくので、このモデルを適用する場合は1年単位とか数年単位に区切って実績値を基に値を算出する。そのパラメータを用いて次の期間の経済動向を予測する。経済成長率の予測値は算出した各パラメータα,β,ηを用いて
   ((β-α)/η-1)×100 (%) と計算される。
  しかし計算は可能だが実際には成長率予測は不可能に近い。十分長い時間経過後とは具体的にはどれくらいの時間を指すのだろうか。1年単位とか数年単位に区切って計算するには少なくともその期間中に変動が収束することが必要だ。実はここが不明確で、さらにその期間中にも技術革新は進んでいく。このことによってパラメータαやβさらにηが計算の前提となっている初期値からずれてしまう。これらが経済予測が難しい第一の理由だと考えている。また予測には国内外の経済動向や経済政策動向、国内外の物価と外為相場の動き、異常気象による被害の発生などなど多くの変動する不確定要素が絡んでくるため、これらの要素を加味しない単純計算ではほとんど意味をなさなくなってしまう。自分でもSNA(内閣府の国民経済計算)データを基に各パラメータの算出とGDP予測値の計算、そして実績値との誤差のチェックをしてみたが、とくにバブル崩壊前後数年の誤差が大きく、また計算時の国債の扱い方によって予測値が大きく異なるなど全く使い物にならなかった。したがって、実績データを基に各パラメータを算出し、その値の変動から経済構造の変化を読むことくらいまでしか使えないようだ。

  <茶> ふと見れば清楚に白いお茶の花

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マジ経90  経済発展の必要条件

 経済発展の条件 MT/MT0=(β-α/η>1 を変形すると β>(α+ηとなるから、経済が発展するには経済社会の総生産高を生み出すエネルギー変換効率βが、取込エネルギー係数αと組織維持エネルギー係数ηの合計値より大きくないといけない、ということになる。
 いくつかの前提と途中の計算は省略するが、α,β,ηを貨幣流量で表せば、Gを利潤として
   α=MS/Mθ+MS
   β=Mθ+MS+GMθ+MS
   η=Mθ/Mθ+MS
と表すことができる。 注;式の導出過程は下記参考)欄に記載)
 経済発展の条件は β-α/η>1 だから、社会インフラや福祉の予算を維持しながら経済発展していくには、Mθ+G/Mθ>1より G>0 となる。 当然の帰結だが、一定の税収を確保つつも社会全体としては生産の効率を上げることで利潤Gを確保していく必要があるということになる。

  <皇帝ダリア> 仰ぎ見る皇帝ダリア風に揺れ

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(参考)
ここで、つぎのような等式が成り立つものと考える。
   MT = C + G ……………… ⑧
   C = MS + Mθ …………… ⑨
  MT 総貨幣量(総生産高) C コスト税含む  G 利潤

  MS 材料費,動力費  Mθ 生産関連費用MS除く,税
  
総生産高MTは⑧式と⑨式より
   MT = MS+Mθ+G …………… ⑩
と表される。
 生産効率β’は MT/C で表されるから、⑧式、⑨式、⑩式よりつぎのようになる。
   β’=(C+G)/C = (MS+Mθ+G)/(MS+Mθ) ……… ⑪
 この値が大きければ大きいほど、生産効率が高いといえる。 このβ’は、前述したエネルギー変換効率βとは異なるが類似のものである。
エネルギー変換効率βをβ’と同様にコストと利潤で表せば②式、③式、⑩式より、つぎのようになる。
   β =αMT/MS=α(C+G)/MS = α(MS+Mθ+G)/MS ……… ⑫
ここでβ’の場合にはコストCとして扱われている部分に相当するものが、βではMS/αとなっている。 したがって
   α=MS/(MS+Mθ)  ……… ⑬
であるとき
   β’=β = (MS+Mθ+G)/(MS+Mθ)    ……… ⑭
となる。すなわち取込エネルギー係数αを⑬式で表される関係にあるとしたとき、生産効率β’はエネルギー変換効率βに等しくなる。
このような理由からαを⑬式の関係で表す。また組織維持エネルギー係数ηは③式、⑤式、⑭式よりつぎのようになる。
   η=Mθ/(MS+Mθ)  ……… ⑮

ちなみにマジ経65.で言及した「生産性」はつぎのように表される。
   生産性=β /α=MT/MS=(MS+Mθ+G)/MS ……… ⑯