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徒然散歩

経済や数学など自分の興味ある分野について書いています。

マジ経89  経済を動かす因子-3

 各係数α,β,ηの持つ意味から必然的に、αとηは小さいほど、βは大きいほどその経済社会の活力は大きいといえる。途中の計算は省略するが①~④式から経済社会の規模Θは
   Θ= Mθ/η +Aexp(-ηt)となる。十分長い時間経過後には
   Θ= Mθ/η ・・・ ⑤
となる。Aは時間t=0 のときΘ=Θ0とすればΘ0-Eθ/η)となる。 時間t経過後の総生産高MTは
   MT= β{β-αβ-α-ηexp-ηt}Θ0/η 

となる。十分長い時間経過後には

   MT= β(β-α)Θ0/η ・・・ ⑥
となる。したがって、十分長い時間経過後には総生産高は初期値(MT0 =βΘ0)に対して
   MT/MT0 =β(β-α)Θ0/η/βΘ0 =(β-α)/η ・・・ ⑦
倍となる。

総生産高の初期値比 MT/MT0=(β-α)/η から1を引いた値に100を掛ければ経済成長率(%)を表す。経済が発展するには
  総生産高MTが伸びる必要がある。それにはこの式が1より大きいこと、すなわち β-α/η>1 であることが必要となる。


   <ツワブキ> ツワブキの花しわぶきをこらえ見る

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マジ経88  経済を動かす因子-2

 ここで三つのパラメータα;取込エネルギー係数、β;エネルギー変換効率、η;組織維持エネルギー係数のそれぞれが表す意味について確認する。
 生物については、
αは食物を確保するのに必要なエネルギーと体の大きさΘとの関係を示す係数
βは取り込んだ食物を消化して取り出せるエネルギーの総量と体の大きさΘとの関係を示す係数
ηは取り出したエネルギーを体の維持に回す必要量と体の大きさΘとの関係を示す係数
 経済社会については、
αは有価値の生産など経済活動に必要な材料や動力を確保するための費用と社会の資産規模Θとの関係を示す係数
βは生産できる有価値の生産高と社会の資産規模Θとの関係を示す係数
ηは生産高の一部を社会の維持に回す必要額とその社会の資産規模Θとの関係を示す係数
 となる。

  <ススキ> 銀色に光る穂先のススキ好き

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マジ経87  経済を動かす因子-1

 しばらく数式が出てくるが、全体の流れを見るために必要なので詳しい説明は省いて列挙する。MSを経済社会が生産活動に必要な材料や動力を確保するのに用いられる貨幣量、Gを利潤(生産によって得た所得のうち自由に消費できる貨幣量)、MTを総生産高(=総貨幣量)とすると、つぎのような各式が成立すると考える。
   MS=αΘ  ・・・ ②
   MT=βΘ  ・・・ ③
   MT=Mθ+MS+G  ・・・ ④
  ここで αは取込エネルギー係数、βはエネルギー変換効率と呼ぶことにする。

  <セイタカアワダチソウ>背高く伸びて黄の粒粟立ちそう

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マジ経86  経済規模 外形とフロー

 ここから前回図示した生命体モデルに数式を適用して解析し、経済発展への道を探っていく。下に解析用の経済モデルを掲示する。

 

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 経済を見るには2つの側面がある。第一は経済社会にストックされている資産の大きさ、第二は経済社会で一定期間に生産・消費されるフローの大きさだ。経済規模を一時点の外形の大きさで見るならば第一の捉え方、一定期間のフローの大きさで見るならば第二の捉え方となる。自分は、第一の経済の外形は第二のフローの時間積分値に当たると考えている。
 第一の社会の資産規模をΘ、その経済社会に供給される貨幣量をMθ、ηΘを経済社会を維持していくのに必要なフローの大きさとすると、
   Θ=∫(Mθ-ηΘ)dt ・・・ ① 

なる関係で推移すると考える。この意味は、「経済社会を維持するのに必要な最低限度の費用ηΘと実際に経済社会に供給される貨幣量Mθとの差の累積が社会の資産規模Θとなる」ということになる。ηは組織維持エネルギー係数と呼ぶことにする。

  <紅葉> 来てみれば今や最期と紅葉かな

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マジ経85  経済モデル-2

 ここでは自分の考える根源的な経済活動であるエネルギー循環モデル(生命体モデル)を紹介する。生命体モデルの活動システムは下図のように表される。あらゆる生命体は自己を取り巻く環境から食料を取り込み、それを分解して自己の成長に必要な素材に変換して利用したり、取り出したエネルギーを自己の活動エネルギーとしている。食料を確保するのに使用するエネルギーを「取込エネルギー」、自己の組織を維持するのに使用するエネルギーを「組織供給エネルギー」、その他活動全般に使用するエネルギーを「消費エネルギー」と呼ぶ。

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 これを経済モデルに置き換えると下図のように表せる。図の下部に「資源・エネルギー」を記しているのは「経済活動は自然のエネルギ-循環に立脚している」との考えに基づいている。

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マジ経84  経済モデル-1

 ここで経済モデルについてレビューしていく。下図は古典派、ケインズ学派およびマルクス経済学に基礎をおくレギュラシオン理論でもイメージされている模式図だ。

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 これを整理(企業部門を統合)して単純化すれば下図のようになる。経済社会における貨幣の流れはこのように概観されている。

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マジ経83  バブル

 1985年9月のプラザ合意を契機に日本経済はそれまでの輸出主導から内需拡大へ大きく路線を変更した。円・ドルレートは85年初の250円台/$から87年初の150円台/$まで劇的に値上りした。国内の金融政策は大幅な金融緩和へと舵を切られ、公定歩合は85年初の5%台から87年初の2%台まで引き下げられた。その相乗効果は絶大で、1990年まで未曾有の好景気をもたらした。この時期、土地・住宅など不動産への需要が急拡大し、価格が急上昇していった。当初これがバブルの始まりであることは認識されていなかった。
 バブルの対象となっている有価値の価格が手に負えないほど高くなったとき渦状の貨幣の流入は停止し、やがて逆流を始める。バブルが破裂した後には、渦中の業界に大量の回収不能な債券が残される。残された不良債券の山は腫れ物を切除して膿を出すようにさっさと処理するよりない。債務者の速やかな債務処理と債権者の速やかな不良債券処理(債権放棄を含む)が実体経済の正常化を早めるだろう。貨幣は生産と消費のスムーズな流れをサポートする媒体にすぎないから、バブルで流失した貨幣が実体経済の流れを阻害し、その流れを正常に戻すのに貨幣の注入が必要なら、財政当局主導の下で速やかに行われるのは当然だろう。過度の金融緩和はこのバブル発生の危険性を高めるからその兆候には注意が必要だ。

  <トレニア> トレニアは語らいあっている様子

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